スピード感(仮)

自分の好きな音楽、中古屋で収穫したCD等についてつらつら語ります

2014年ベストUSED CD 1

引き続き2014年の振り返りです。
2014年に購入した中古CDが78枚だったのですが、その中から特に気に入っている作品を15枚選びました。
ブログ開設前に購入した作品がほとんどになってしまったので、書くのにえらく時間がかかってしまいました…。
(一部作品は加筆&使いまわしして個別のレビューページを作るかも)
結構な文量になってしまったので回数分けます。

 

15.コダマセントラルステーション『FUNK YOU!』

Funk You!(初回限定盤)

Funk You!(初回限定盤)

 

 元Kneuklid RomanceのヴォーカルYUTAKAことコダマックス率いる色物(?)歌謡ファンクバンドのメジャー1st。方向性としては及川ミッチーや米米CLUBに近いものがあります。

ジャケットの指は伝説のAV男優加藤鷹によるもの(中ジャケではご尊顔も!)。
ニュークリ時代は爽やかに突き抜けた歌声だった彼ですが、面影は残しつつも低音で鼻にかかったようなまろやかな歌声に変貌しています。再結成ニュークリでは賛否両論でしたが、この音楽性ではこの声しかないというほどハマっています。声が変わっても歌唱力の高さは変わらず、特に『モンスター』での裏声スキャットには痺れました。
ファンクやディスコを下敷きにしたサウンドに、当時ジャニーズに積極的に楽曲提供していただけあるわかりやすいメロディー。個人的には『カイラクゼーション』が気に入っています。
そして『愛してMAX』みたいなネタ曲もありますが、必要以上の悪ふざけがないのにも好感を持ちました。
あまり専門的なことを考えず、J-POPとして楽しんで聴くべき1枚。

 

14.栗林誠一郎『SUMMER ILLUSION』

サマー・イリュージョン

サマー・イリュージョン

 

 ビーイング所属のシンガーソングライターの2nd。ビーイングが誇るフュージョンユニットDIMENSIONの3人も当然参加。

氏は後に何故かロックユニットZYYGを組むのですが、ソロ活動では自身のルーツを前面に出したAOR志向。角松敏生を彷彿とさせる面もあります(角松ワークスに欠かせない青木智仁も参加)。
しかし織田哲郎と共に全盛期ビーイングを支えたソングライターだけに、メロディーがビーイングっぽいです 笑。さらにアレンジを明石昌夫が手がけていることもあってか、HR風泣きのギターソロが飛び出すことも。
そして1曲目はWANDS『Secret Night~It's My Treat~』の原曲であるダークな『It's My Treat』。
表題曲『SUMMER ILLUSION』に至っては哀愁のアルペジオのリフがV系っぽさすら感じさせるアッパーなビートロック。
次作『You Never Know』ではその辺が整理されちゃんとしたAORになっているのですが、個人的には今作のなりきれていない感じが気に入りました。

 

13.bice『covers』

Covers

Covers

 

 小西康陽SUGIZOへの客演や『けいおん!』への楽曲提供で知られ、2010年に亡くなった女性シンガーソングライターのカヴァー・ミニアルバム。

日本を代表するウィスパーボイスの使い手です。アコギを中心とする実にシンプルなバンドアレンジですが、歌声そのものが大きな武器なのでそれで充分ということなのでしょう。
NICK LOWE『Cruel to be kind』やPILOT『Bad to me』あたりの可愛らしいメロディーの曲がとても似合っていて素敵。

 

12.NOBODY『GOT A FEELING』

GOT A FEELING

GOT A FEELING

 

 こちらは先日感想を書いたばかりです。12月の中古屋おかいもの 。渋い歌声、ドライブするギター、人懐っこいメロディー…!! 他の作品も発見次第手に取りたいです。

 

11.井上鑑松任谷正隆、佐藤博『Seaside lovers』

SEASIDE LOVERS

SEASIDE LOVERS

 

 1983年に発売されたアルバムのリイシュー盤。キーボーディスト3人による、ビーチ・リゾートでのラブストーリーをイメージしたコンピレーションアルバムです。ジャケットが最高!

トロピカルなフュージョンからシンフォニックものまで幅広い曲が揃っていますが、前述のように一貫したテーマがあることもあってか1枚のアルバムとして通して聴けました。インストがメインですが、9曲中4曲は歌・コーラスが入るのでインストものが苦手でも楽しめますよ。
2曲目『MELTING BLUE』なんかはそのコーラスが若干時代を感じさせる日本語英語だったりもするのですが、個人的にはそれがむしろツボにハマってしまいました。
6曲目の井上鑑『WIND,WAVE&WINEGLASS』~7曲目松任谷正隆『COCONUTS ISLAND』の流れがアーバン・メロウな響きで特に気に入っています。

 

10.SUPER JUNIOR『HERO』

Hero

Hero

 

 11人組K-POPグループの日本での1st。彼らもエレクトロ調のダンスチューンを得意としており、やってること自体は他のK-POP勢と変わらないのですが。

奇妙なメロディーが次々展開され、さらに大御所松井五郎先生による妙ちきりんな日本語詞が乗っかる怪曲『美人(BONAMANA)』『Mr.Simple』のインパクトが凄すぎます。一方で『Sexy,Free&Single』『Opera』あたりは普通にかっこいいです。特に前者はフックの効いた曲展開と美しいシンセとヴォーカル・コーラスワークの絶妙な絡みにうっとり。
アルバム曲で且つ新録曲の『★BAMBINA★』はずば抜けてキャッチーな曲ですが、初っ端の歌詞が「ごきげんよう子猫ちゃんたち お楽しみの時間です ちゃんとシミュレーションしてきたかい」という飛ばしっぷりで、サビでは「レーザービームアタック」というフレーズも飛び出します。東方神起でも似たような例がありましたが、K-POP男性アイドルの歌詞の野生っぽさを訳そうとするとこうなってしまうということなのでしょうか。こういうのって外野から見るぶんには面白いのですが、ファンの方々的にはかなり複雑みたいですね。
中盤のバラードやロック曲はちょっといまいち。

 

9.kannivalismhelios.』

helios

helios

 

 ヴォーカリスト怜の復帰後にリリースされた2ndアルバム。当時レンタルで済ませてしまっていたので漸くの購入。

1stが当時のORANGE RANGEを意識したであろうチャラいミクスチャーロックだったのですが、今作は打って変わってポストロックに接近した幻想的な作風。
『another world』『again and again』『a growth ring scroll』は14分にわたる組曲で圧巻。『a growth~』はちょっとシガーロスを彷彿とさせる音像。
またベーシスト裕地作曲の2曲『i.d.』『Glory&You』がとても良いです。
前者は這いずるようなベースが主導する鬱屈したミドルチューン。「fhuh…uhhh…」という歌詞のみのサビこそクリーンで浮遊感があるものの、シューゲイザーに転じる終盤はなんだか闇に飲み込まれていくかのようです。
後者は夏のドライブにも似合いそうな軽快なポップチューン。カッティングギターもお洒落。だからか「目覚めて」が「Summer time」に聞こえるんですよね。
今作の後に発表された3枚のシングルも傑作だっただけに3rdアルバムはとんでもないことになりそうだと思っていたんですが…。

 

続きます!