スピード感(仮)

自分の好きな音楽、中古屋で収穫したCD等についてつらつら語ります

12月の中古屋おかいもの

あけましておめでとうございます。
世間は2015年に突入しましたが、こちらでは2014年ネタがもうしばらく続きます!
前の月に中古で購入したCDを紹介するコーナーです。

・上領亘『鴉II~NIGHT PASS~』

鴉II~NIGHT PASS~

鴉II~NIGHT PASS~

 

 元GRASS VALLEY、元P-MODELのドラマーによるソロ2nd。

前作はP-MODEL在籍中ということもあって平沢進や福間創をはじめ多くのゲストが参加していましたが、今作での大々的なゲストは『Introduction』『NIGHT PASS』に参加したLUNA SEASUGIZOと彼の右腕的存在であるd-kikuぐらいです。(上領は97年のSUGIZOソロバンドに参加)
特に1曲目『Intoroduction』における遠くで聞こえる鳥の鳴き声のような独特のトーンのギターはこれぞザ・SUGIZOという感じですね。
全体的にスローで低体温な曲が多いのですが、そのぶん耽美で深淵な音世界にどっぷりと浸れる1枚です。リバーブのかかった上領の繊細な歌声も楽曲のカラーに溶け込んでいます(心なしかSUGIZOの歌声に似ているような)。もちろんドラマーだけあってジャズやテクノ等ジャンルを横断しながらリズムへの拘りも相当なもの。
メロディーを聴く作品ではないと承知の上で敢えてメロディーがわかりやすい曲を挙げるとすると『Dolphin's love Song』『かげろう』あたりでしょう。
GRASS VALLEYSUGIZOソロ等が好きであればすんなり聴けると思いますが、ν[NEU]から知った人が聴くにはちょっとキツいかも。

・NOBODY『GOT A FEELING』

GOT A FEELING

GOT A FEELING

 

Vo&Gt.の2人組によるユニットの88年の7th。
2人共矢沢永吉と所縁の深いミュージシャンだということをWikiで調べて初めて知りました。

初期の吉川晃司やアンルイスをはじめ80年代アイドルにも楽曲を提供しており、そこでのイメージから打ち込みビートにギターが絡むNW歌謡的なものを想像していましたが…実際そういう作風のアルバムもあるようですが、今作は骨太なバンドサウンドを前面に出しています(青山純らが参加)。
解説に「60年代のマージンビートに影響を受け」等ありますが、前述の提供曲などに見られる人懐っこいメロディーが全開なのでそうした小難しいことを考えずに聴けました。
中でも哀愁メロディーのミドルナンバー『DREAMIN'BOY 70'S』が渋い歌声にとても合っていて素敵。

・Various Artists『CDBros.1』

CD Bros.(1)

CD Bros.(1)

 

 雑誌『TV Bros.』が誌面で公募したアマチュア・インディーズバンドの楽曲を収録したコンピ盤。有名どころではBLUE BOY解散前のHARCO中塚武率いるQYPTHONE、インディーズデビュー前でお面をつけていないBEAT CRUSADERSも参加しています。

しかし彼らが参加アーティストの中でずば抜けているかというとそうでもないのが面白いです。
特にビークルは初代メンバー岩原幸夫の作曲による抑揚のないメロディーのスローテンポのナンバーで、正直これを聴く限りでは彼らが今作一の出世株になるとは微塵も思えません。
一方で今となっては「その他」扱いのアーティストに関してですがこちらはかなりの聴き応えが。
中でも良かったのがUK風のダウナーなミドル曲を聴かせるTHE PROIMROSE。当時インディーズシーンで注目されていたようで、ヴォーカルはMaia Hirasawaのサポートなど現在も活動しているようです。
またテトラポッドというオルタナ色の強い二人組ユニットも完成度が高いと思ったのですが、実際に当時の封入アンケートでは人気No.1だったようで、驚いたことに唯一のミニアルバムが2014年にSPACE SHOWER MUSIC内のレーベルから再発されています。
女の子二人組ユニット駒川人の『パラソルボンバ』は、ラジカセかなんかで録ったであろう27秒しかない曲で衝撃。

そして私のお目当てはACID SCREEN。
SCARE CROWという今でいうポストロック的なアプローチをしていた知る人ぞ知るV系バンドのヴォーカリストいずみが、ソロ活動(こちらのアルバムも名盤)を経て結成したバンドです。
このバンドで彼は突然いずみの名を捨て阿部カツを名乗り、出で立ちも下北系バンドマンのようになっています。そもそもこんなところに応募しているということ自体、フィールドを変え今までとは違うリスナーに自分たちを見つけてほしいという気持ちの表れだったのかもしれません。
曲もUK寄りで最近でいえばストレイテナーに似た感触のカッコいい曲なのですが、かつて孤高の音世界を築き上げた人物が出す音ということを考えると疑問符が浮かんでしまうのが正直なところですね…。歌詞カードのクレジットがミスでASID SCREENになっているのもなんか悲しい。
結局彼らはこれとデモテープ1本のみで解散してしまいました。デモテープ、聴きたいな。

Addict of the trip mindsAddict of the trip minds

Addict of the Trip Minds

Addict of the Trip Minds

 

圭人パパこと岡本健一を中心とする4人組バンドの唯一のアルバム。男闘呼組後期から活動をはじめていたようですが、こちらはジャニーズと一切関係なく自分たちでバンドをまわしていたようです。

活動本拠地のガレージで録音したというざらついたギター+ベースがかなり前面に出たサウンドに、内面をえぐるような暗~い歌詞が乗っかるスタイル。岡本は和製ジム・モリソンとの呼び名もあったようですが、音としてはグランジ色が強い。当時のフールズメイトでも絶賛されていて、レビュー欄では「dipとニック・ケイブ&ザ・バッド・シーズが一緒になってるような~」と評されています。
楽曲は全て日本語詞ではありますが、メロディーには一切媚びがなく心地良さとは正反対のものです。なので飛びぬけてこの曲が好きとかはあまりないのですが、アコギ一本からバンドサウンドに雪崩れ込む『今、再び』のドラマティックさには痺れるものがありました。
ちなみにWikipediaを見て驚いたのですが、彼らはOblivion Dustの前身だそうです。
岡本とギターの福場が脱退しFloorというバンドを結成した一方で、残った二人のうち木村隆充がバンド名を守りその後KEN LLOYDK.A.Zとの出会いの後にオブリに改名したということのようですね。K.A.ZはAddict~のサポートの経験もあったそう。

・JADOES『CD買ってください』

CD買って下さい

CD買って下さい

 

 元々お笑いグループでありながら*1音楽活動においては角松敏生プロデュースのもとキャリアをスタートさせたグループの92年のラストアルバム。セルフプロデュース作で、前作発売後キーボードの平間あきひこが脱退し4人組体制になっています。ヴォーカルの藤沢秀樹は現在ダンス☆マンとして活躍中。

これまでは角松から受け継いだ都会的な音楽性に少しユーモアを交えた作風だったのですが、今作はCDタイトルからもわかるように完全に後者に寄ってしまっています。
加えて歌詞も悪い意味でチャラい。都会の大人の恋を歌うかつての世界観もチャラいといえばチャラいのですが、それが広告代理店的な洗練された大人のチャラさだとすれば、今作の歌詞は私立大学生のチャラさとでも言えるでしょうか。発売からだいぶ年月を経ていることもあって個人的にはかなりキツかったです。
1曲目『東京遊覧船』の終わりに、ウッチャンナンチャン目当ての客をいじるお笑いライブ*2の様子(?)が収録されていたりもするのですがこれもまた…。
とは言え歌詞を除けば曲のクオリティーが必ずしも低くないのは流石です。ただメンバーが楽器を弾いている曲が少なく、いかにも90年代初頭的な打ち込みが目立ちます。

*1:お笑い界ではショートコントの元祖とされているみたいですね。

*2:はっぱ隊の曲をダンス☆マンが手掛けたのはこのころからの絆があってのことと知り感動。