THE LAST ROCKSTARS『THE LAST ROCKSTARS (Paris Mix)』レビュー
YOSHIKI (X JAPAN) 、HYDE (L'Arc-en-Ciel) 、SUGIZO (LUNA SEA/X JAPAN/JUNO REACTOR) 、MIYAVI によるグループのデビュー曲。
YOSHIKI作詞作曲で、まずはバンド名を冠した曲がないとねっていう彼の流儀なのでしょうか。 その時点で面白いですが。
そもそもYOSHIKIが命名したというこのバンド名…既に後進のバンドマンたちからは動揺·悔しさ·失笑·怒り…様々な反応が見られるわけですが、どういうひらめきなのでしょうね。
「後進にケンカを売って皆でロックを盛り上げたい」か「俺たち以降(日本に)ロックスターっていないよね?」なのか…なんとなく素で後者のように思ってそうな気がするのですが。。。
バンド名がダサいという反応が多々SNSでバズってましたが、それを言ったらX JAPANだってダs……とにかくYOSHIKIにしかできないビッグマウスとして私は肯定的に捉えています。
https://twitter.com/official_aoi/status/1592034305374834689?s=20&t=xIeCUCuXrolgTsTnStacVQ
↑M氏の元直系の後輩からの小声
そしてロックスターとぶちあげておきながら楽曲がダンス調なのが2つめの突っ込みどころなのですが、私はここにきてYOSHIKIが新しい扉を開けてきたことを前向きに捉えたいです。
YOSHIKI18番である流麗なメロディーが4つ打ちビートを泳ぎ、毎度のことながら息づかいからヴォーカル重ねまで突き詰めたであろう歌へのこだわり。
そして例の「Bigidin Bigidin Ban Ban Ban」。ティザーで聴いたときはどうしたものかと思いましたが、フルで聴くとEDMのドロップのように楽曲のなかで必要なファクターとして機能していることに驚きました。ってかここにきて造語って…!!
PERFECT HUMANや江南スタイルと重ねて酷評する向きもありますが、ダサいけど嫌でも耳に残るしそれって一転してカッコよくないですか?。真のヒット曲はダサくてなんぼ。
YOSHIKIってよくも悪くも80年代·90年代式の自身の音楽性を頑なに守る/それしかできない人だと思っていましたが、2020年代に向けてそのスタイルをしっかりアップデートさせてきたのが意外です。もしかしてヒット曲を分析していたりするのかな…。
あと良かったのが1:45あたりのノイズ。YOSHIKIってノイズの使い方上手いですよね。
散々褒めておきつつ、いまいちなのがギター。
SUGIZO/MIYAVIというスーパーギタリスト2人を擁しておいてこれはない。ダンスミュージックにはありがちな簡素なギターリフで流石にずっこけます。これなら打ち込みで充分。紅白のステージでもMIYAVIの手が暇そうでしたね…。ブレイクからのピロピロ(ここはSUGIZO)も氏にしては随分しょっぱい。
YOSHIKIは譜面でガチガチにコントロールするタイプなのでその時点で特にMIYAVIと相性が悪そうなのですが、VIOLET UKさらには『Red swan』『Imitation Rain』あたりの近作に顕著なように彼はもう良いギターフレーズを書けないのでしょう。
であれば両ギタリストが勝手に弾いてガンガン突き上げればよさそうなものですが、それは許されなそう。YOSHIKIは音楽面で2人に何を望んで誘ったんだ…?
ということで自分にとってはまだ「期待以上、だけどYOSHIKI feat.HYDE以上のものにはなっていない」という印象でした。
このグループに想像以上の爆発をもたらすキーマンはMIYAVIだと思っています。それが今後の楽曲や1月のライブで見られるのか、楽しみです。
サムライギタリストというMIYAVIの肩書きにTHE LAST ROCKSTARSという文字列が加わってだいぶ香ばしくなってしまったので、ほんと充実した活動を頼みますよ…!