スピード感(仮)

自分の好きな音楽、中古屋で収穫したCD等についてつらつら語ります

ROUAGE『肌色。』レビュー

梅雨が明けましたね。
iPodのプレイリストを夏仕様にする時期となりましたが、夏のBGMといえばサザン・TUBE・角松敏生オメガトライブ浜崎あゆみRIP SLYMEORANGE RANGE・今年は三代目J Soul Brothers…?。

…いろいろありますが夏の訪れとともに毎年必ずヘビーローテーションで聞く曲がありまして、その紹介を。

肌色。

肌色。

 

 名古屋出身ヴィジュアル系バンドのラストシングル。このシングルがバンド崩壊のきっかけになってしまったようで、現在もベスト盤を含めアルバム未収録となっています。
表題曲『肌色。』が今回特に紹介したい曲です。

もともと典型的な90年代V系サウンドを奏でていた彼らですが、この時期はギタリストの意向でグランジ寄りの音作りに。この曲もその流れを汲んだミドルテンポナンバーです。
「どうかなりそうな あつい夏がはじまるよ ハローハローハローハローハローハロー」というサビのシンプルな詞が印象的なのですが、ざらついたギターサウンドがそんな暑い日差しの中の気怠さを感じさせて実に良いのです。イントロのギターフレーズからして一気に掴まれる。
V系的なしゃくりあげ歌唱も不思議とサウンド・歌詞の情景マッチしています。
メロディーもV系ど真ん中だった頃の面影のない、サラッとしたつくりなのですが、何故だか胸をぎゅっと締め付けられる名曲ですね。この曲をもって解散というのは美しいな。

2曲目『ながれ、ぼし』は解散後にメンバーが結成するSTRAY PIG VANGUARDにも近いミドルテンポの穏やかなギターロック。
これまたギターフレーズが良いのですが、この曲は高音部でのヴォーカルがちょっとキツそう。

3曲目にしてROUAGE最後の楽曲となるのは『自称、イラナイコドモ(リミックス・ヴァージョン)』。
何気にリミックス好きの彼ら。これは歌ものとしての形を残しつつもバックはギターが暴れまわるブレイクビーツ寄りのスタイル。

 

今年も楽しい夏にしたいものです!

町あかり『ア、町あかり』レビュー

 

ア、町あかり

ア、町あかり

 

 シンガーソングライター町あかり、『もぐらたたきのような人』『コテンパン』の再録を含むメジャーデビュー作。

前作感想はこちら ↓

前作と聴き比べて思ったことからです。
まずアレンジ。彼女のベーシックアレンジを基に作っているようではありますがアレンジャーが参加したことで、適度にメジャーっぽい音になっています。ポンチャック感こそ消えましたが、前作一部楽曲のアレンジはチープすぎて不安な気持ちになったりもしたのでこれはこれで良いのでしょう。

一番気になったのが歌い方。歌の表情が豊かになった一方で、特に『もぐらたたきのような人』『コテンパン』の歌い方がクドくなったなあというのが正直なところ。この辺は好みの問題だと思いますが、個人的には表情豊かな歌い方ってこういうことじゃないと思うんですよねえ。逆に『横浜のすずめ』なんかでは曲に合わせた艶っぽい歌い方でドキッとさせられます。

やや否定的な入り方になってしまいましたが、アレンジにメジャー感が増したことで改めて楽曲の素晴らしさが浮かび上がったと思います。
相変わらずAメロ+サビというシンプル構成で、しっかり耳に残る昭和じみたキャッチーな楽曲群。
オープニングにふさわしいポップ感のある『ア、アイシャドウ』『それわかる!』、かつての「みんなのうた」の名曲群を彷彿とさせる『夢という小鳥』、ネオンが似合いそうな昭和歌謡風『横浜のすずめ』等々。

真っ当に良い曲が集まった一方で、今回の新曲に再録2曲のような飛び道具的なものは無し。
次作ではそうした楽曲が生まれるのか、もしくはあの2曲はたまたまでそもそも飛び道具とかって発想はないのか、今後の展開が気になるところです。

 

 

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↑ご本人による素敵なイラスト

 

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↑ジャケ写も含め、正直あんまり写真に恵まれない(個人的感想)彼女ですが、歌詞カード裏のこの写真はかわいいです

 

LUNATIC FESTに行ってきました!2日目編

二日目です! 初日はこちら↓ 

 

この日は最初から最後までしっかりと観ました。フェス日和な快晴。
前日は音源をちゃんと聞いたことがあって且つ見たことのあるバンドが殆どだったので思い入れの再確認という要素が強かったのですが、
今回は初見及び音源すら聞けていないバンドも多く新たな音との出会いに胸を膨らませての参加。
お客さんに関してはGLAYファンとMUCCファンこと夢鳥さんが目立った印象。普通に生活していたらなかなか見ないような格好の人もいましたが、前日が凄すぎたのでそれに比べれば… 笑。

以下敬称略。ちょっと長いです!

・LUNACY
RYUICHIの喉がほぼ回復していたことに驚き。楽器隊の演奏も朝からキレっキレで贅沢なOAです。
レアな選曲として『SUSPICIOUS』。私も含めオーディエンスは当たり前のように反応していましたが、よくよく考えるとこの曲はデモテープにしか収録されていません。濃いファンが集まっているのだなと。

 ・凛として時雨
何気に初見でした。彼らに関しては良くも悪くも『#4』の時点で既に音楽スタイルが完成しているだけに、追い切れていない最新作の楽曲も違和感なく聴けました。
音のバランスがイマイチに感じられる瞬間もありましたが、3ピースとは思えない迫力に圧倒されます。時折顔を覗かすトレモロアルペジオのギターフレーズに改めてLUNA SEAの遺伝子を感じましたね。
序盤からアッパーな曲を並べ続け、ラストにダウナーな『傍観』。TKは狂ったようにギターノイズを放出して去っていき、オーディエンスも下を向き沈黙。この(良い意味での)後味の悪さはcali≠gari『サイレン』を彷彿とさせました。
あと『感覚UFO』(たしか)での345たんの動きがかわいかったな。。。

 ・ROTTENGRAFITTY
一時期Jのレーベルに所属していた、歌謡曲風のメロディーラインが特徴のラウドロックバンド。
昼前にトイレに行くタイミングがどうしてもここしかなくてごめんなさい。最後の1曲のみ聴けました。感極まった表情で歌い上げる姿にグッときました。

 ・minus(-)
SOFT BALLETコンビ。サポートドラムはFLiPのYuumi。初めて見るだけでなく、音源もチェックできていませんでした。
サウンドチェックに本人が出てきたのですが、その出音の大きさに耳の危険を感じ、せっかく確保した前方スペースから若干後方へと退避。
ステージングに関しては、グラマラスに歌い踊るモリケン(歌声も良い)と殺人鬼のような出で立ちでどっしり構えるフジマキの対称性が面白かったのと、ドラムがカッコよすぎました。
そして何よりノンストップに繰り出される楽曲が凄く良い。なんとなく「フジマキ=ノイズ」のイメージで身構えてしまいがちなのですが、両者共にポップなメロディーが得意な人で。だから曲がその場でスッと入ってくる。フロアのアガりっぷりもそれを示していました。
前半4曲は極端な話EDMフェスにも対応可能なモリケンヴォーカルのバキバキなダンスチューンで、ラストはフジマキヴォーカルによる壮大な哀愁ミドルナンバーでした。

 ・AION
往年の彼らの刺々しいヴィジュアルの印象が強いのですが、この日のNOVはちょっと柴田恭兵チックでIZUMIはCharのような風貌。背がでかく白いスーツで出てきたDEANに至っては最初ヤ○ザが出てきたのかと。彼にベースを手渡したのは元ローディーのJ。大歓声です。
楽曲は全曲新曲とのこと。1曲目は昭和のアニソンに片足突っ込んだようなスピードメタル。かつて世界最速を誇ったという音速ギターが圧巻。
2曲目でいきなりバラード。「あの頃のあの場所に時を超え僕は舞い降りた」という世界観の歌詞で、「教室」や「黒板」といったワードが出てくるという。正直面喰いましたが、彼らのような年齢になると余計に青春時代に思いを馳せてしまうものなのかもしれません。
MCからも真面目な人柄が垣間見えました。

NOVといえばVOLCANOにも参加していますが、その酔いどれギタリストである屍忌蛇が会場をぶらついていた模様。ちょっと探しましたが見つかりませんでした。

 ・KA.F.KA
豪華メンバーによるスーパーバンド。こちらも初見で、土屋ソロ作のみチェックしていたという状態。
土屋昌巳ウエノコウジを拝みたいというミーハーな気持ちで見たのですが、まずフロントマンISSAY(DER ZIBET)の立ち振る舞いに目が釘づけになってしまいました。その一挙一動があまりに芸術的。ジャケットの早脱ぎも凄かった。
そして何よりその演奏・歌唱のレベルの高さです。速いテンポの曲もなく、ゴリゴリの音やシャウトもない。シンプルな楽曲を熟練者ならではのグルーヴ感・テクニックでシンプルに魅せるのみ。なのにただただカッコいい。これが大人のロックなのか。
ほとんど曲を知らないのにずっと見ていたいと思わせられました。そんなの初めてでした。
〆はゲストのSUGIZOと共にJOY DIVISION『Transmission』のセッション。周囲にいたロックおやじ(と思わしきオーディエンス)大盛り上がり。本家よりカッコいい気もするので音源化してもらえないでしょうか…。

 ・MUCC
こちらもごめんなさい。どうしてもここしかなかったのです。既に2回は見ているのと、近年の音源をほとんど追えていないので泣く泣く。
よく通るたつろーの声を聴きながら会場外トイレへ…。

 ・[Alexandros]
今やどのフェス行っても見られる感すらありますが、私にとっては初見なので楽しみでした。
ちょっと音のバランスが良くなかったのですが、その演奏力の高さはしっかり堪能できました。ドラムの手数の多さがポイントだと思うのですが、それが真矢の弟子だというのが熱いです。
全曲知っている曲だったのでアガるアガる。

 ・GLAY
まさかフェスで見ることができるとは。最新両A面シングルと超有名ヒットシングルの応酬でおなか一杯。あと『月に祈る』ってこんなにカッコいい曲だったっけかと。
TERUのハイトーンはテレビだと危なげな印象があったのですが、普通にCD以上のうまさでした。
LUNA SEASHADE』カヴァーもナイス選曲で、心なしか自分たちの曲より演奏が生き生きしていたような。

 ・D'ERLANGER
やっと見ることができました。さすが男ファンの姿が目立ちます。
『SADISTIC EMOTION』始まりの『LULLUBY』『dummy blue』というパンキッシュな流れでしたが、その硬派でスタイリッシュなステージングに痺れるばかり。
『LA VIE EN ROSE』ではゲストでINORANが少年のような笑顔で登場。未だにCIPHERとの電話では正座だということで、登場するなり正座。CIPHERも正座。
〆は新譜から『CRAZY4YOU』。「キラキラしようぜ!」というMCもありましたが、このバンドのメロディーは意外とキラキラとポップなのですよねえ。

 ・BUCK-TICK
これまたやっと。サウンドチェックの時点で、今井のセットから意味不明な電子音が飛び出してきます。
セトリは『或いはアナーキー』『memento mori』『RAZZLE DAZZLE』がメインという最新型の彼らを見せつけるもの。後ろにいたV系シーンの生き字引的な妙齢の女性は終了後ブーブー言っていました。
個人的には『Django-魅惑のジャンゴ-』を聴けたのが良かったです。今井のステップが変。
Jを交えた『ICONOCLASM』では、いかんせん主役がほとんど喋らない人達だけにゲストながらも彼が一番喋って盛り上げていました。
また最先端のテクノサウンドにも造詣が深いこともあってか、バックの映像もそれを感じさせる幾何学的なもので見応え抜群。
元祖V系バンドとも言われる彼らですが、音楽性に関してはそれとはまた異なるデカダンスポップとも言うべき独特のスタイルだなと改めて感じました。

 ・LUNA SEA
セトリは6割ほど変更。『DESIRE』『TRUE BLUE』といったV系国歌に加え、『FACE TO FACE』なんかが嬉しい選曲。
驚いたのは復活作からの『Metamorphosis』。COTD風スラッシーなリフと2バスで疾走するナンバーですが、音源から予想できるレベルを遥かに超えるカッコよさでした。
前日の『ピンクスパイダー』に続く『ROCKET DIVE』カヴァーもただただカッコいい。
本当に凄いバンドです。そしてやっぱり一番好きなバンドです。
演る側もテンション上がっていたようで、特にRYUICHIのMCは天然ぶりが炸裂する結果に。「大好きな先輩方が健在なうちに…(会場爆笑)…いや、今死にそうな人がいるわけじゃなくてさ」という発言はひでえ 笑。

 ・アンコール
前日が前日だけに否応なしに期待してしまいます。ただしRYUICHI、kyo、ISSAY、櫻井敦司という並びは実現せず残念。
そのぶんユータ・土屋・ピエール中野といった各バンドの社交担当がステージ上でニコニコしていたのでこちらもニコニコしてしまいました。
特にピエールはRYUICHIとTERUが向かい合い歌う後ろでエアドラムをドカドカとかましており、その愉しそうな表情が忘れられません。


メンバーの口から「またやりたい」という言葉も飛び出しており私も是非また見たいですが、さすがに隔年とかがいいなと。
二年連続だとありがたみが薄れますし、個人的にはフェス主催にパワーを大きく割くよりも早く新譜を作ってほしいのですよね…。

ということで、とにかく疲れました。現場では何とも思いませんでしたが、冷静に考えると1日12アクトというのは異常な数字です。
どんなフェスでもどこかでまったりする時間があるものですが、ルナフェスにそんな時間は一切ありませんでした。体力勝負。
なので翌日の仕事ではぐったり…と思いきや、意外にもこれまでにないほどのエネルギーに満ちておりました。
素晴らしいライヴにはそういうパワーがあるということなのでしょう。

参加した皆様お疲れ様でした。
ありがとうございました。

LUNATIC FESTに行ってきました!初日編

 LUNA SEA主催の史上最狂ロックフェスことLUNATIC FESに両日参加してきました!
この記念すべき祭り、やっぱり目撃しとかなきゃなと思いまして。

とは言うものの正直最初はそんなに期待していませんでした。
一番好きなバンドゆえいきなり愚痴になってしまいますが、彼らの現在進行形の状況にあんまり興味を持てていなかったというのがありまして(ライヴのパワーは凄いのだけど)。
それが参加ラインナップを見て腰を抜かし即予約&確保したというわけです。バンドのみというのに加え女性ヴォーカルすらいないというその頑固っぷりもこれはこれで良いなあと。
ただMUCC以外にもう一組ぐらいネオV系がいてもよかったのかなとは思います。DIRが出る以上政治的にガゼットが出られないのは仕方ないとして、ナイトメアのYOMIなんか普通に客として来ていたそうですから。

会場は幕張メッセ。導線に関してはいまさら文句もないですが、男子トイレが少なすぎました。男性客がここまで来るとは想定していなかったのでしょうか。
子連れの観客もいましたが、子供は向かいのエリアで開催されていた次世代ワールドホビーフェアの方にに行きたかったんじゃないかなーって。
そしてX御大及びEXTASY一派がいるからか、全体的に客層のガラが悪かったような気がしました 笑。

では当日の簡単な感想を。以下敬称略で

初日

・午前中
職場の欠かせない用があり泣く泣く諦めることに。本命SIAM SHADEはもちろん、レディースやヤンキースも見れず惜しいことをしました。

・Fear,and the Loathing in Las Vegas
ピコリーモを貫く最年少バンド。ヴォーカルSoはLUNA SEAと同じく25歳だそう。笑顔がステキ。
大好きな『Rave-up tonight』を聴けてアがる。ただこの曲もなのですが、曲展開が少々無理矢理じゃないかというのを改めて実感。いきなり別の曲に移ったのかと思ってしまう。
2013年にはお荷物状態になっていたというベーシストの交代劇もあったのですが、新ベーシストがバンドをより強靭にさせたのだろうなとバキバキのスラップベースを聞きながら思いました。

DIR EN GREY
hideサミ以来の彼ら。当時とは別バンドのような圧倒的な説得力のあるアクトでした。
近年の参加フェスと同様のようですが、序盤はステージに白い幕を張り映像を投影しながら演奏するスタイル。ちゃんとしたVJがついているのか、映像のクオリティーが高かったです。
京のヴォーカリゼイションはCDでのクオリティーが高すぎる分ライヴでは不安定という印象があったのですが、この日はCDと同等かそれ以上の破壊力。ホイッスル・デスボイス・奇声を使い分けるだけでなく、歌い上げるパートでも美しいハイトーンをしっかりと聞かせてくれました(特に『THE FINAL』の〆がカッコよすぎたので、動画あったら是非そこに注目を)。
そのあまりの人間離れぶりに目の前にいるのは悪魔かなんかクリーチャーとしか思えなかったのですが、ステージを降りるととてもかわいらしい人なんですよねえ。
あとToshiyaの謎の動きもたっぷり堪能しました。

・DEAD END
X側のステージ前方へ向かったのであまりよく見えませんでしたが、初っ端の『I WANT YOUR LOVE』に痺れました。ルナシー黒夢ラルクをはじめとする多くのバンドに影響を与えた彼らですが、この曲の飛翔感はラルクの原型だよなあと。
SUGIZOがアコギを弾きRYUICHIとのデュエットによる『SERAFINE』もありましたが、MORRIE共々ビブラートが強いのでまるで演歌のよう。

X JAPAN
こちらもhideサミ以来。だるまさんが転んだようで*1無事出演となりましたが、案の定定刻通りにスタートせず。オープニングSE『MIRACLE』をバックにドラムから客席を見下ろすYOSHIKIのラスボス感に改めて震えました。
圧倒的なカッコよさ。
ただ一つ気になったのはバックの映像。一部はパチンコのやつそのまんまなんじゃないかというぐらいの厳しいクオリティー。さすがの彼らもそこまで手が回らないのか。
さて中盤は公開レコーディングということでミドルテンポの新曲『Kiss the Sky』のコーラスの大合唱を。いよいよアルバム発売が現実味を帯びてきた!
そしてその流れでの『ENDLESS RAIN』ではToshlの歌声の美しさにうっとり。
〆はもちろん『X』&延々と続く「We are!?」\えーっくす!!!/の掛け合い。結果30分近く押しましたとさ。

LUNA SEA
初っ端の『LOVELESS』に感激…するはずが、私の立ち位置の問題かSUGIZOのカッティングとサビのコーラスが聞こえず。この曲の肝はその二つだと思っているのでとても残念。
RYUICHIがやけにテンション高く叫びまくりだったのですが、中盤から喉がガラガラに。滅多にそんな状況にならない彼だけにある意味貴重なものを見ました。そしてそれに気づき演奏で支えるメンバーの絆の深さを目の当たりにし温かい気持ちに。
曲に関して改めて思ったのは、『TIME IS DEAD』Aメロのギターリフがファンキーで癖になるなあという。また『Sweetest Coma Again』は初めて聴けましたが、アルバム『LUNACY』の異質っぷりを再確認。

・アンコール
今日のメンツが勢揃い。Toshl・RYUICHIMORRIEという並びが強烈。これに関してはただただすごいものを見たとしか。
NORIやPATA・ジョージらが愉しそうに酒飲みながら出てきたのにもほっこりしました。

二日目に続く。

町あかり『町あかり全曲集 その1』レビュー

 

町あかり全曲集 その1

町あかり全曲集 その1

 

 平成生まれ80年代アイドル志向の女性シンガーソングライターのインディーズ作。
本作は今でこそフツーにAmazonで買えるようになりましたけど、発売当時は通販でしか買えませんでした。クレジットにご両親の名があるなどその家内制手工業ぶりにほっこりさせられます。

彼女を知ったのはテレビ朝日musicるTV』。氣志團翔やんヒャダインがMCを務める「もしかしたら売れるかもしれないメジャーデビューしてないアーティストが見れる店」というコーナーで紹介されていました。
二人が大いに気に入り何度もピックアップされたことで、『もぐらたたきのような人』が頭から離れなくなり購入に至るという。
番組主催ライブにも行きライブも見ましたよ。大トリだった彼女のステージは小道具も使ったキュートさとシュールさが絶妙に入り混じる実に楽しいものでした。

さて作品本編は、ポンチャックじみたチープな打ち込みで彩られる妙に頭から離れない80年代テクノ歌謡テイストの楽曲が目白押し。
基本どの曲も2010年代に作られたとはとても思えない、Aメロとサビのみのシンプルな作りですが、それがまた楽曲の中毒性を高めています。
『コテンパン』『ひょん! 』あたりは一度聴いたら忘れられないインパクトですし、前述の『もぐらたたきのような人』も意味わかんないのについ鼻歌してしまうんだよなあ。
歌のお姉さんのような大人びて端正な歌声もまた独特のシュールさに拍車をかけています。
また結構芸が凝っていて、『電車はロマンティック』では駅の発車メロディーが効果的に挿入されますし、「アカリチャン」名義での『ほら、やっぱり』では“ああいう”歌唱もこなす。『堂々めぐり』では「町あかを」とのデュエットも。これは自身の声のキーを低くいじりまくったってことでいいのかな。。。

他に似たようなことをやっているアーティストが一切思い当たらない、絶妙な立ち位置だと思います。
強いて言えばそれこそ氣志團かなあとも思いましたが彼らほど自覚的でもないという。
J-POPど真ん中でもなければ変なサブカル臭もないですし小難しいこともやっていないので、そういう派手な界隈に飽きた人に是非。

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