スピード感(仮)

自分の好きな音楽、中古屋で収穫したCD等についてつらつら語ります

町あかり『ア、町あかり』レビュー

 

ア、町あかり

ア、町あかり

 

 シンガーソングライター町あかり、『もぐらたたきのような人』『コテンパン』の再録を含むメジャーデビュー作。

前作感想はこちら ↓

前作と聴き比べて思ったことからです。
まずアレンジ。彼女のベーシックアレンジを基に作っているようではありますがアレンジャーが参加したことで、適度にメジャーっぽい音になっています。ポンチャック感こそ消えましたが、前作一部楽曲のアレンジはチープすぎて不安な気持ちになったりもしたのでこれはこれで良いのでしょう。

一番気になったのが歌い方。歌の表情が豊かになった一方で、特に『もぐらたたきのような人』『コテンパン』の歌い方がクドくなったなあというのが正直なところ。この辺は好みの問題だと思いますが、個人的には表情豊かな歌い方ってこういうことじゃないと思うんですよねえ。逆に『横浜のすずめ』なんかでは曲に合わせた艶っぽい歌い方でドキッとさせられます。

やや否定的な入り方になってしまいましたが、アレンジにメジャー感が増したことで改めて楽曲の素晴らしさが浮かび上がったと思います。
相変わらずAメロ+サビというシンプル構成で、しっかり耳に残る昭和じみたキャッチーな楽曲群。
オープニングにふさわしいポップ感のある『ア、アイシャドウ』『それわかる!』、かつての「みんなのうた」の名曲群を彷彿とさせる『夢という小鳥』、ネオンが似合いそうな昭和歌謡風『横浜のすずめ』等々。

真っ当に良い曲が集まった一方で、今回の新曲に再録2曲のような飛び道具的なものは無し。
次作ではそうした楽曲が生まれるのか、もしくはあの2曲はたまたまでそもそも飛び道具とかって発想はないのか、今後の展開が気になるところです。

 

 

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↑ご本人による素敵なイラスト

 

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↑ジャケ写も含め、正直あんまり写真に恵まれない(個人的感想)彼女ですが、歌詞カード裏のこの写真はかわいいです