スピード感(仮)

自分の好きな音楽、中古屋で収穫したCD等についてつらつら語ります

10月の中古屋おかいもの【YOUTHQUAKE/ASYLUM/YKZ etc.】

 すっかり秋になってしまい果物がたくさん採れる季節になりましたが、久々に中古屋に行ったところこちらも豊作に恵まれました!的な雑な導入文しか思いつきませんでしたが、久々に更新します!

 

YOUTHQUAKE『YOUTHQUAKE』

YOUTHQUAKE

YOUTHQUAKE

 

 日本が誇るスラッシュメタルの雄。当時のVo.HIYORIは東京ヤンキースのUMEやLADIES ROOMのGEORGEと並び、EXTASY RECORDSの重鎮でもありました。
彼らの音源で聴いたことがあったのはそのエクスタシーのコンピ盤収録の2曲のみでした。それがべらぼうにカッコ良かったので手に取った次第です。

今作はどちらかというとHR寄りのアプローチ。洋楽カヴァーや物悲しいバラードもあって普段この手の音を聴かない人間にも優しいつくりです。
シンガロングパートが勇ましすぎる『CRUMBLIN'DOWN』が好きですね。
また前述のコンピ収録曲ではデスヴォイスから金切り声のようなシャウトまでをも操っていたHIYORIですが、今作時点では『VANISHING VISION』の頃のTOSHIに似た荒いハイトーンがメイン。
以降の作品も聴きたくなりました。

 

ASYLUM『Farewell(to Lovely…)』

フェアウェル

フェアウェル

 

 ジャパメタ勢とは別ベクトルから後のV系シーンに大きな影響を与えたニューウェーブレーベル「トランスレコード」筆頭バンドの編集盤。彼らの作品はどれもジャケットが美しいですね。
気合の入ったレビューがAmazonにあるので各曲の細かいことは省略します 笑。ただ全体的にメロディアスです。メジャー1stとか結構渋くて聴きにくかった印象があっただけに意外でした。
たしかにパンク・ニューウェーブに括られるような荒い楽曲も多いのですが、シンセやメロトロンといった楽器やプログレ民族音楽といったスタイルを積極的に取り入れていくスタイルはニューウェーブの枠に収まりきらないもの。
独自の美意識の下なんでも取り入れていく姿勢、が後のV系に影響を与えた部分でもあるのかなーと。『Farewell』『哀願』『Finale』あたりは曲調的にも影響与えていそう。
一番の聴き所は9分半ほどの大作『Tybe Vatamia Platami』。これまでになく穏やかでキャッチーな歌を軸にしつつも、まるで世界音楽旅行記のように次々と景色が変わる不思議な曲展開です。

 

YKZ『THE FIRE THAT BURNS WITHIN』

THE FIRE THAT BURNS WITHIN

THE FIRE THAT BURNS WITHIN

 

90年代末~2000年代初頭に活躍した日本のVo.+Gt.+Ba.の3ピースのミクスチャーバンド。旧名ヤクザキックだそうで、スケボーキングSBKに近い言語感覚を感じました。
この作品がもうバカみたいにカッコ良い。
Rage against the machineあたりに近い、ファンク+ラップメタル。1曲目『BLOW BACK“HOUSE OF THE RISING FUNK”』からもうどうしようもないカッコよさで、この曲はゲストのホーンセクションがさらに熱くさせます。
ベーシストが楽曲制作の主導権を握っているため全曲ベースがバッキバキ。だからなのかリズムが凝っており、曲構成にまで一筋縄でいかないスリリングさがあります。日英チャンポンによる言葉遊びな弾丸ラップもカッコいいです。こう書くとファンからは怒られそうですが、声質に関してはUVERworldのそれに近いかも。
一方でインストの『Nao quir ir a praia?』に至ってベース+ピアノ+パーカッションによるアフリカの民族音楽風の曲であり、ゲストプレイヤーを迎える柔軟性も特徴と言えそうです。

 

藤井フミヤ『EQUAL』

GTSのメンバーによる全面バックアップでクラブミュージックに挑戦し21世紀のフミヤを提示した前作『CLUB F』に続く9th。屋敷豪太プロデュース。
その前作の半分は背伸びしすぎで消化不良という印象でしたが、その自覚があったのか今作は弾けすぎずまったりしすぎずな程よい温度感。
彼の歌声の良さは言わずもがなではありますが、かの『TRUE LOVE』『Another Orion』あたりに匹敵する良いメロディーの曲って実はあまりない印象で。特にアルバムは結構な割合で捨て曲があるようなイメージです。
しかし今回は多くの曲を手掛ける屋敷がフミヤと旧知の仲とのことで、彼の歌声を最大限に引き出すメロディーの曲が多いなと。今作は全体的に良い曲揃い。
またバンドスタイルの楽曲がほとんどで、ギターで土屋昌巳も参加しています。

 

 

S.Q.F『mon paradis』レビュー

 

MON PARADIS

MON PARADIS

 

 元MASCHERAのヴォーカリスト、michiを中心とするユニットの4作目。ミニアルバム。

前作『群青の野生-ultramarine animality-』がサポメンにJu-kenを招聘し彼が一部作曲までを手掛けたへヴィー&一部インダストリアル&エロスな作風なのに対し、こちらはジャケ写に表れているように白く浮遊感のある作風です。
んで、そのジャケを見て一瞬キm…となってしまうのではと思いますが、中のアートワーク及び歌詞も凄まじく、まさにmichiのディスコグラフィーの中でもナルシズム極まりな一枚となっております。
MASCHERA時代からの縁であるキーボーディスト五十嵐氏がアレンジに全面参加。

全編引用したいぐらい歌詞が凄まじくナルなシングル『DREAM IS…~the beautiful life~』はほんのり2ステップの香りのするR&B
リリースは2002年でしたが、当時の音楽シーンの流行への意識を感じさせるサウンドです。J-POPであれば平井堅『KISS OF LIFE』とかCHEMISTRYPoint Of No Return』あたりを思い浮かべて頂ければ。
またV系出身者(特にこの世代以上)は根がHRなため歌唱力があってもこの手のサウンドを歌いこなせていないパターンが多いのですが、違和感なく歌い上げており凄いなと。

表題曲は全編ウィスパーヴォイスで歌われるフレンチポップ。発音がどうなのかはわかりませんが、完全にカヒミカリィです。これは凄い…。
『Orphee』は彼の歌唱力を存分に堪能できるメロディーの、浮遊感あるアップテンポ。優美なコーラスも入りますが、MASCHERAメジャー1stのようなやりすぎ感はなく。
名曲ぞろいのこの作品の中でも最も好きです。バンド感は一切ないですが、メジャー期のMASCHERAが好きな人には最も入りやすい曲かもしれません。
〆の『檸檬色のデジャブ』は壮大なストリングスにくるまれたバラード。

この後メンバーが次々加入&脱退する中でバンド感を強めていくのですが、まだバンドに拘っていないからこそできたある種実験的な1枚かもしれません。
そしてV系フィールドでも他にあまり例のない音楽性で界隈のリスナー以外にも開かれている…と言いたいところですが、歌唱力が高すぎる分濃いので結局好き嫌いははっきり分かれそう。
V系のニッチな楽曲をおさえたい人向きかもしれません。

7月の中古屋おかいもの【JAPAN/Justin Timberlake/OBLIVION DUST etc.】

前月に購入した中古CDを紹介するコーナー。更新がすっかり遅れております。
単純に忙しいのに加え、夏らしく休日もアクティブに行動してみているので、なかなか時間がとれず。
とりあえず暑い日々があっという間に去ってしまったのが驚きでしたね…。ここ数年は9月終盤までとにかく暑かったはずですが。


JAPAN『錻力の太鼓』

錻力の太鼓

錻力の太鼓

 

2012年にリリースされた、SHM-CD仕様のリマスター盤。
奇妙なメロディーラインながらポップな『STILL LIFE IN MOBILE HOMES』が一番好きなのですが、他のポップ性のない楽曲もその独特の演奏・音色・世界観に魅了されてしまいます。
日本の初期V系バンドやGRASS VALLEYをはじめフォロワーやファンは数多くも、それらとは全く別の次元に存在するサウンドです。
他のどこにもない唯一無二の音が聴きたければ、このアルバムを。

 

Justin Timberlake『THE 20/20 EXPERIENCE』

20/20 エクスペリエンス

20/20 エクスペリエンス

 

DAFT PUNK『Random Access Memories』と共にダンスシーンの流れを大きく変えた1枚。
聴いていてラスべガスのセレブの姿を思い浮かべるような、豪華でスタイリッシュなR&B
強いて挙げれば『Suit & Tie』『Blue Ocean Floor』あたりが好きですが、全曲通しで聴いてこそな作品な気がします。トラックが極上なのに加え、彼のソフトな歌声もまた実に良い。
こういう音楽が似合う町に住みたいなあ。
俳優としての彼についてはよく知らないので、今度代表作から観てみたいなと思います。

 

OBLIVION DUST『Misery Days』

misery days

misery days

 

ファンの中では最高傑作とも名高い1998年の2nd。今回購入したのは2008年のバンド再結成に伴いリリースされた廉価版です。
当時hide with SpreadBeaverでも活躍していた中心人物K.A.Zは現在VAMPSで再び名を挙げていますが、VAMPSではhydeの音を忠実に具現化するプロデューサーとしての色が強いため、今ひとつ彼の魅力がわからないというVAMPSファンも多いようです。
そんな人に「K.A.Zのセンスを最も堪能できる作品」をおススメするなら私は今作だと思います。
凶暴なオルタナ・ミクスチャー色の強い他の作品と違い、今作はUK・NW寄りのダウナーで浮遊感のあるミドルテンポの楽曲をメインとした作風です。
『HELLO』『SO REAL(But I don't care)』『Blurred』~『HELIUM LOVE』の流れが特に好きですね。東洋風の音色のアルペジオを含むどこか不気味なギターフレーズ・メロディーラインが印象的です。
そこまでキャッチーではないので引っ掛かりは弱いですが、一度はまってしまえば何周でも聴いてしまいそうな中毒性があります。
そして『DISAPPEAR(All of you)』が今作のハイライト。ギターノイズが暴れるエモーショナルなミドルナンバー。
詞中にアルバムタイトルのフレーズも出てくる『FUTURE WOMB』はhideに捧げられたもの。未来への希望も感じられるポップな楽曲です。

 

HAWAIIAN6『Across the ending』

ACROSS THE ENDING

ACROSS THE ENDING

 

PIZZA OF DEATH所属メロコアバンドのミニ作。パンクブーム直撃世代でもあるセカオワがカヴァーした『MAGIC』も収録されています(あれはあれでアリ派です)。
泣きメロを通り越して昭和歌謡に片足突っ込んだメロディーが全編にわたって炸裂。
ハイスタ難波氏と同系統のこの手のパンク歌唱(英語の発音もあんま良くない)はあまり好みではないのですが、このメロディーの前では問題無しです。
自分のようなV系好きがメロコアを聴こうとするとメロディーの作りの違いや歌声で挫折してしまいがちですが、彼らからなら入りやすいかも?

 

V.A『クリスマスアルバム

The Christmas Album

The Christmas Album

 

クリスマス定番ソングのカヴァーアルバム。ジャケットはかわいいですが、中身は凶悪。
MELT-BANANASEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HERあたりはまだわかるとして、S×O×BやHair Stylistics、さらにトリとしてMERZBOWまでもが参加しています。
1996年にソニーからのリリース。CDバブル期だからこそまかり通ったと思わしき、とち狂った企画です。

氣志團万博2015の初日に行ってきました!

9月19・20日に木更津で開かれた氣志團万博2015の初日に行ってきました!

基本的に男女アイドル・ロックバンド・ヴィジュアル系・サブカル・芸能界のスターの約5ジャンル(これらが混ざることで氣志團になる)から選出されるごった煮な参加メンツ、木更津の広い海が真横という極上のロケーション、そして主催者綾小路翔による遊び心と愛に溢れた空間づくりが特徴のフェスです。
特にオープニングムービーと各アーティスト登場前の「煽りV」が面白く、なんで他のフェスはやらないんだろう?と思ってしまうほど(そう簡単には作れないんでしょうね)。
私はこのフェスが大好きで、夏納めとして(2012年を除き)毎年参加しています。この週を境に気候が一気に秋へ突入するのもまた良いのです。
今年は8月後半には涼しくなっていましたが、この2日間だけはまるで夏が返ってきたかのような猛暑でした。

DISH//氣志團提供曲を歌う中、会場へ。今年はメイン+2サブの3ステージ制となり、何故かダチョウ倶楽部メンバーの名が冠されていたのでした。

森友嵐士
T-BOLANのフロントマン。SUNAO岸利至らa.b.s組やChirolynといった楽器隊を従えたステージ。
『離したくはない』を1フレーズ歌ってアップテンポのソロ曲に移った瞬間、斜め前のお姉さん二人組が大阪の漫才みたいにズッコケてました。
ステージングが良くも悪くも90年代初頭のロッカーそのまんま過ぎて正直困惑もありましたが、やっぱりカッコよかったです。
自ら『One Night Carnival』をカヴァーしておきながら、照れがあるのか振り付けを一切しないのもどうかと思ってしまいましたが、そういうキザなところも90年代初頭っぽさなのかもしれません。
最後にようやく『離したくはない』。やっぱり名曲。歌い方崩しまくりなのはちょっとなー。

森山直太朗
音楽活動小休止が発表され、その一区切りともなるステージ。
「草むらで性交渉はしないように(←フジロックの件?)」といったジョークを交えた後、ピアニストを従え『さくら(独唱)』。圧倒的美声。このテンションの切り替えが凄いです。
そして新曲『生きる(って言いきる)』は氣志團星グランマニエとのスペシャルコラボ。二人の声の相性が抜群。歌詞の内容と血気迫る歌声に心がジーンとなり、ちょっと泣きそうになりました。

郷ひろみ
まさか生で見るとは。ヒット曲を連発し還暦近いとは思えないキレッキレなダンスで魅せてくれます。中でも近年の楽曲『男願Groove!』でのダンスとテンションは凄かったですね。

・仙台貨物
4年連続出演の彼ら。不本意ながらこれまでで一番多くライヴを見たバンドになってしまいましたw。煽りVでは「もうナイトメアやめちゃえば?笑」なんて言われながらの登場。
毎年演る曲も同じなので大体覚えてしまったのですが、今年はスクリーンに歌詞が出たので、こんな詞だったのかと改めて脱力。

・でんぱ組inc.
バカテクバンドを従えての登場。メンバー全員が何かしらのオタク、というのが彼女らの売りの一つでもありますが、実際見てみると滲み出ているものがたしかにありますわ。
発売されたばかりの新曲を含め曲は好きなのですが、初っ端に披露された『W.M.D』だけはやっぱり苦手。

ゴールデンボンバー
見るのはこの夏2回目です。
正直ネタにやっつけ感のあったRIJFに比べ、今回はネタの手が非常に混んでおり、氣志團への愛とリスペクトゆえなのかなと。

キュウソネコカミ
後ろでまったり鑑賞。あんましっかり聴いたことなかったのですが、楽曲がギターロック・ファンク・ディスコを軸に情報量多めなつくりになっており、いかにも今風なスタイルだなと。
ただいつもは大変盛り上がるであろう「ヤンキーこわいコール」が全然広がらず。メンバーも実際心折れかけていたみたいです。
やはり客層がどっちかっつーとそっち寄りですからね。ライヴそのものは良かったのですが、この日のメンツと比べてしまうとまだまだこれから感も。

グループ魂
初年度以来の参加。アラフィフのおっさんらが放つ容赦ない下ネタの数々に戦慄。ミニスカセーラー服姿の港カヲルから目を背ける客席の女の子をMCでいじるのもまた情け容赦ない。
『ペニスJAPAN』『押忍!てまん部』あたりはテキトーに作ったのではという気がするのですが、『彦摩呂』『さかなクン』がファンク調で妙にカッコよく、それがまたズルいです。

モーニング娘。OG
この日のぶち上がりポイントその1。
メンバーは石川梨華保田圭吉澤ひとみ矢口真里新垣里沙で平均年齢30.4歳だそうです。5人ってのはちょっと寂しい気がしますが、一人一人のエネルギーが尋常じゃないので無問題。
『ザ☆ピース』『ハッピーサマーウェディング』『恋のダンスサイト』『LOVEマシーン』『恋愛レボリューション21』というカラオケ定番のビッグヒットを惜しみなく披露。
会場にはそれら楽曲を嫌というほど刷り込まれたであろう20代~40代が大集結、大盛り上がり。逆にでんぱとか仙貨あたりのファンの10代の子は(少なくとも前方エリアには)一切いなかった気がします 笑。
圭ちゃんの声が意外にも可愛く、また石川・吉澤両名のセクシーお姉さんぶりにノックアウト。でんぱをディスる意図はないのですが、やっぱ個人的にはこういうほうがいいなと。いろいろあった矢口もあの頃と変わらず。
そして新垣里沙ことガキさん。そんなにキャラが濃いわけでもなく顔だちも素朴な方だと思うのですが、気が付いたらガキさんのことばかり見てしまっており、その後も彼女のことが頭から離れなくなってしまいました…。
これってまさか恋…!?。

ROLLY&HEESEY special guest吉井和哉
この日のぶち上がりポイントその2。
すかんちTHE YELLOW MONKEYという日本のグラムロックを代表する2バンドのメンバーの共演。
完全にこの日のためだけのスペシャルステージで、その奇跡を前に狂乱してるファンもいました。
双方の楽曲を含めたカヴァーセッションのスタイルで、特に『BURN』や『LOVE LOVE SHOW』がROLLYのバカテクギターアレンジで披露されるのだからたまりません。
そして吉井和哉が登場した際、そのオーラ・歌唱力に痺れました。歌った瞬間空気が震えるような感じすら。
一方すかんちの曲は運悪く2曲とも知らなかったのですが、彼らの曲はポップでチャーミングなので知識が無くとも楽しめました。

VAMPS
4年連続出演ということで、こちらもこのフェスの度に見ています。ファンのお姉さんたちもビキニ姿でこれまた。
喉が潰れそうな凄まじい咆哮とゴリゴリの音塊を叩き付けて帰っていきました。
カッコ良いのですが、個人的には彼らのメロウな部分が好きだったりするので複雑な気持ちにもなります。

GACKT prestents 神威♂楽園
一番の衝撃。私だけでなく、あの場にいた(彼のファンを除く)2万人近くにとってもそうだったに違いありません。
基本的にはカヴァー曲を中心としたコンセプトライヴで、ファンクラブ内ではお馴染みのもののよう。
しかし何が凄いってそのコンセプトと作りこみの完璧さ。
おそらくスマホゲームの「ボーイフレンド(仮)」あたりにヒントを得たのではと思われる学園モノの世界観で、あのCMみたいにガックンが妙にイイ声で喋る。
以下概要
・「破廉恥ー!」「破廉恥ー!」といった歌詞が出てくる厳かな校歌に乗って登場(この時点では観客軽く引いてる)
GACKTではなく「性徒会長」であるとのこと
・会長が「よろしいかーっ!?」と煽ったら「かしこまりーっ!!!」と返すようお達し(校則)
・会長が人差し指を下から突き上げる動作と共に観客も「おーーーーーっ!!!!」の掛け声
・毎回決め台詞はカメラ目線(そのたびにスクリーンに顔どアップ)
・1曲目がGLAY『誘惑』『口唇』と氣志團One Night Carnival』を混ぜた『キス魔のカーニバル』
・ににににしかわくん(会長談)『WHITE BREATH』カヴァーでは扇風機とトイレットペーパーを駆使するなど、小道具が妙にショボ細かい
・唯一のGACKT曲は3年前シングルc/w『情熱のイナズマ』(本流から外れた変な曲だなと思っていましたが、ここでようやく謎が解けました)。

歌手としての実力に加え、長年コンセプトライヴをやってきたノウハウ、CMやバラエティーで見せるコミカルなキャラクター、そして俳優・声優…そうした彼のこれまでのマルチな活動で培ってきたあらゆるスキルが惜しげもなく投入された、ある意味GACKTの究極形態だったのではないかと思えてきました。そしてこれをフェスでやるガックンと、それを受け入れる氣志團万博のキャパがすげえなと。

氣志團
毎年主催者ならではの熱いステージを見せてくれますが、今年の彼らはこれまで以上に熱い思いをぶつけてくれました。過去最高にグッと来た。
去年以来シングルが連続でTOP10入りするなど、人気が再び上向きになっているのも影響しているのかもしれません。
個人的に初っ端の『喧嘩上等』『俺達には土曜日しかない』『木更津サリー』という流れがまず最高で。
『木更津サリー』は男泣きの名ビートロックで彼らの楽曲の中でも特に好きなのですが、低迷期の楽曲だからか冷遇されており万博でもなかなか披露されませんでした。ようやく聴けた!
その後もゲストを迎えながら華やかなステージを。
また翔やんのMCは例年主催者ならではの思いが溢れるあまり、話がまとまらなくなり場がだれてしまっていたのですが、今年はそこも改善され、端的でグッとくるMCになっていました。
そしていつも通りクロージングBGMは清水宏次朗『Love Balladeは歌えない』。これが流れる中、私の真後ろにいたナイスミドルが「これ、俺がリアルに中2のときの曲だわ…」ってこぼしていたのがまた良い余韻になりました。

・アンコール
毎年楽しみなのがこのアンコール。そのためだけに近藤真彦湘南乃風をサプライズ登場させた前科があるだけに、今年も心待ちに。
まずは会長と金爆を呼びワンナイ。ここでの会長の笑顔はキャラではなく自然とこぼれたものだった様に見えました。
オーラスは仙貨の千葉さん・NoGoD団長を呼び込みチャゲアス『YAH YAH YAH』。毎回オーラスは他人のヒット曲なんだよなあ。
そしてサビでダチョウ倶楽部がサプライズ登場。曲終了後はお馴染みのネタを一通りやってくれて、観客皆笑顔に。
豪華な花火で締めくくり。

今年は一人での参加だったのですが、それでもこの上なく幸せな気持ちになれるのがこのフェスの魔法。
また来年も必ず来ようと思いました!

清 竜人25『PROPOSE』レビュー

 

「PROPOSE」初回限定盤

「PROPOSE」初回限定盤

 

 シンガーソングライター清竜人率いる「一夫多妻」アイドルグループ清竜人25の1stアルバム。
シンプルな英単語のアルバムタイトルはソロ時代の流れをも汲んでいますが、ジャケットおよびブックレットに本人の写真が出てくるのはソロを含め7作目にして初です。これも「アイドル」ゆえでしょうか。

 

渋谷系ハロプロ・AKB~アニソン/アキバ系といったフィールドで活躍する豪華なアレンジャー7名を招聘。
この制作スタイルおよび曲調ということで、ソロ時代の怪盤『MUSIC』を髣髴とさせます(アレンジャーの人選も半分ぐらい被っています)。
しかし大きく異なるのは、『MUSIC』が清竜人の秘めていた内面・生々しい感情が堰を切って溢れだしたかのような極私的な作品だったのに対し、この『PROPOSE』は一夫多妻制の夫婦という設定のもとある種ファンタジー的な世界観で統一されているという点です。
もっと言ってしまえば、『MUSIC』での彼ははっきり言って「キモい」(褒め言葉) のに対し、ここでは「カッコいい」のです。

 

では個々の楽曲について見ていきます。
1曲目は何かと岡村靖幸と比較されるきっかけを作ったファンク調の1stシングル『Will ♡You♡Marry♡Me?』。男女ヴォーカルの掛け合いが巧くできており、いきなり話題になるのも当然。また今聴くと竜人の声にソロ時代のナイーヴさが残っていますね。
そこからオールディーズな匂いのするパーティーチューン『Mr.PLAY BOY...♡』、ヒャダインの作風をトレースしたような(氏も雑誌で評価してました)『A.B.Cじゃグッと来ない!!』とシングル曲が続きます。

今回初収録されたアルバム曲のうち『Call♡Me♡Baby』『どうしようもないよ...』『逢いたいYO~♪』はプロジェクト始動当時からライブで披露されていたもの。
いきなり自分の周りに女の子6人がやってきた嬉しいテンションで一気に書き上げたからでしょうか、これらがとにかく名曲。
特に『どうしようも~』はサビメロが狂っているだけでなく、終盤の叙情的なパートから最後のサビ→竜人のファルセット・フェイクのパートへの流れが実にエモいです。
また『逢いたいYO~♪』はmunimuni加納摩天楼様のツイートみたいな曲名ですが、メロディーがずば抜けてキュートな跳ねたリズムの正統派アイドルポップとなっています。

一方このアルバムで初披露となる曲は正直なところ息切れ気味。ここ最近曲提供も多かったですし、さすがに働きすぎか。
『プリ~ズ...マイ...ダ~リン♡』は宮川弾による上品なアレンジ(特にサビでの夫人コーラス)が素晴らしいので良い曲に聴こえるのですが、メロディーだけ取り出してみると前述の名曲群に比べちょっと落ちるかなあと。
『やっぱりWifeがNo.1♪』も詞中での旦那が6人の相手に疲れ果てる描写同様、メロディーラインも冴えておらずお疲れな様子。

しかしMOSAIC.WAV編曲によるバラード『誓いのワルツ』はそんな新曲群の中で出色の出来。ソロ時代の名曲『雨』を髣髴とさせます。
最大の聴き所は長台詞。
例えば『Will You~』での「俺はいつでも待ってるぜ」という竜人の台詞は内容の割になんだか頼りなげなのですが、一方この曲での彼の台詞はなんて勇ましく男前なのでしょう、赤面してしまいました。これ女子リスナーはガチ惚れですわ。
結婚が男を成長させるってこういうことなのですね…

 

新曲の出来を考えても十分満足。すごく綺麗にまとまったアルバムだと思います。
ただアイドルソングということで自分の色を出しすぎないようにしているらしく、ちょっと小奇麗かな、自身の編曲によるもう少し濃い曲も聴きたいなという思いもあります。
そういうのはソロでやるってことなのかもしれません。ソロ新曲も披露されたようですし、彼の次の展開が楽しみ。


DVDに関してはMV+ライヴ丸ごと、という+1000円にしては十分すぎる内容。
ただ、ライヴ映像に関しては普段のライヴの勢い・空気がそのままパッケージされており見ごたえありますが、急なメンバーチェンジがあってバタバタしてた影響もあってか生歌は普段と比べて微妙かなという感じです。
メンバーを歌唱力で選んでいないのに加え(特に亜美ちゃんはいつも不安定でハラハラする)、肝心の竜人もソロ時代のライヴ不精に加えそもそも弾き語りスタイルでしたからあれだけ歌い踊ると後半かなりボロボロになってしまうのですよね…。

封入のポラロイドは可恩ちゃんでした。