スピード感(仮)

自分の好きな音楽、中古屋で収穫したCD等についてつらつら語ります

11月の中古屋おかいもの【kyo/CUNE/ENDLESS/TOKIO etc.】

先日フォロワーさんに指摘されて気づいたのですが、気が付けばこのブログを始めて1年が経っていたようです。ありがとうございます。
戦略性も何もない完全なマイペース更新ではありますが、今後とも是非お立ち寄りくださいませ。

 

では11月に買った中古CDを。気が付けば寒くなり、なんとなく冬っぽいセレクトになっていました。

kyo『SWEET』

SWEET

SWEET

 

 D'ERANGERのヴォーカリストkyoのソロ14枚目のシングル。
kyoソロは初期が煮え切らない作品続きだったこともありあまり評価が高くなく、一方エイベックス(cutting edgeレーベル)移籍後はジャンルレスなスタンスで作品の質が上がるのに反比例し動員は下降してしまっていたようです。
このシングルはバックバンドsuper Creeps(NARASAKI・BERA・HAL・上領亘)を率いていたソロ晩期。00年という時代背景もあってかブックレットに映る彼は服こそやや派手ながらも鼻ピアスに顎ヒゲ姿。ちなみに同時期のCRAZEメンバーもストリート系のファッションでした。
HAL作曲の表題曲『SWEET』とkyo作曲の『RUNAWAY BOYS』はNARASAKIの轟音ギターが炸裂するロックンロール。
前者は明確なサビの存在しない不思議なつくりなのですが、文字通りメロディーがほんのり甘く、なかなか癖になる名曲です。
上領作曲の『Happy merry X'mas』は透明感のある音使いが印象的なバラード。kyoの甘い歌声はこういう暖かみのある曲にもしっくりハマりますね。


CUNE『GREAT SPLASH』

GREAT SPLASH

GREAT SPLASH

 

 インディーズ時代の楽曲『SAMURAI DRIVE』をhitomiがカヴァーしたことで注目を浴びた4人組ギターロックバンドのメジャー1st。
バンド名は胸キュンな楽曲を、というところから。
同じく「胸キュン」の肩書で語られるギターロックバンドとしてGOING UNDER GROUNDがいますが、彼らのメロディーに良くも悪くも下北っぽさがあるのに対し、こちらはメンバーの出自が実はV系というだけあってベタなほどのキャッチーなメロディーに溢れています。
スケールが大きく意外にもダークなミドル曲『BORDER』にはじまり、ハードな演奏にとことん切ないメロディーが乗る『リフレイン』、このバンドの真骨頂のバラード『クローバー』『様々サマー』など、聴く人を選ばない良い曲揃い。ヴォーカルの小林亮三が凄く良い声してるんですよね。
ポストミスチル筆頭株とも言われた彼らですが、個人的に一番気に入っている『流れ星』は曲調や音作りがちょっとスピッツっぽい。
またインディーズ時代のリメイク『Butterfly』では言葉遣いにV系時代の名残が一部感じられますが、それはこの曲がかつての親分バンドD≒SIRE『絆』のアンサーソングだからだそう。   
一方サンタが街にやってきたのメロディーを拝借した1分強のパンキッシュなナンバー『エアロビクス☆ガール』あたりでの遊び心は、世界観がガチガチに固められていたV系時代ではできなかったことなのでしょう。
アンチクリスマスソング『1999.12.24』もありますし、この時期にぴったりのアルバムかも。


ENDLESS『Monochrome Sky』

MonoChrome Sky

MonoChrome Sky

 

 ↑のCUNEのメンバーもV系時代に所属していた、切なさに特化したV系インディーズレーベルKreis出身の二人組の復活作にして2ndフルアルバム。今Amazonではかなりの高額になっております。
ヴォーカル&ギターとキーボードのユニット構成ながら2人とも職人タイプで、人数の少なさを一切感じさせない分厚く作りこまれたサウンドを特徴としています。
意外にも王道のビートロックは表題曲と前身バンドBLUE時代のリメイク『月と太陽』の2曲のみ。
休止前ラストとなったマキシシングル『Frontier』(←名盤!)の流れを汲み、キーボードをフィーチャーした浮遊感のある楽曲がメインです。お得意の哀愁メロディーとヴォーカルSHIGEのクリスタルボイスが映えます。
バラードの『夜に咲く花』が一番好みですが、跳ねたリズムとチープな打ち込みの印象もあってか個人的に菊池桃子のRA MUを思い起こした『Sinematic Sunrise』やテクニカルなアコギが美しいR&B風バラード『Another Place』など、意外な作風の楽曲も聴きどころです。

 

tk-traptk-trap

tk-trap

tk-trap

 

 小室哲哉と弟子の久保こーじによる限定企画ユニットのライブ盤。といっても歓声等はほとんど聞こえず音も綺麗なのでスタジオ盤と変わりなく聴けます。1995年というTKブーム勃興期の作品ながらかなり異彩を放っております。
TM NETWORKやソロの楽曲のリメイクと久保による新曲がメインで、大所帯のバンドを引き連れかなり本格的にプログレ趣味を炸裂させています。ところどころフュージョンR&Bっぽい瞬間も。
『CAROL』組曲や『HEAVEN AND EARTH』あたりは外国人ヴォーカリストにより曲の良さがより引き出されているように感じ、原曲より好きです。
2013年のTM NETWORKウツ復帰ライブにおいて『CAROL』がこのヴァージョンで披露されたりもしたのですが、その点からもどちらかというとプロデューサーTKのファンというよりTMのファンにお勧めしたい作品です。


CALL『IN MY STYLE』

IN MY STYLE

IN MY STYLE

 

 ソニーが1995年に設立したレーベルHIT STREET第1弾アーティストの男性二人組デュオ。近年ソニーのオーダーメードファクトリーからリイシュー盤が出ています。
大変失礼ながらジャケットに写るお二人がちょっと冴えない(服もかなり時代を感じる)のですが、じゃあ何が凄いのかというと二人のハーモニー。よくオフコースが引き合いに出されているようですが、まさに小田和正のような澄んだハイトーン。
またレコーディングバンドメンバーに小倉博和(サザンとか)や根岸孝旨(Coccoなど)らがおり、90年代ポップス然としたバンドサウンドが楽しめます。
ただ単に電車で毎朝乗り合わせる女の子が気になって仕方ないという趣旨の詞の『ほんの一秒でかまわない』などをはじめ、歌詞は結構あんまりな感じですが…


TOKIO『Best E.P Selection of TOKIO』 

Best E.P Selection of Tokio

Best E.P Selection of Tokio

 

1994年のデビュー曲『LOVE YOU ONLY』~1996年『ありがとう…勇気』までのシングルを収録した初期ベスト盤。
この時期の彼らの楽曲で売れたのは前述の『LOVE YOU~』と『うわさのキッス』ぐらいですが、その原因は基本的に曲が正直ダサかったからでしょう。90年代中盤ということを考えるとかなりの時代錯誤でもあったはず。20周年のファン投票ベスト盤ではこの時期の楽曲がほぼランク外となり、ファン人気すらないこともうかがえます。
久保田利伸作曲・赤坂泰彦作詞というなんかすごい組み合わせの『ありがとう…勇気~Hyper Energy Mix~』なんてバンドサウンドですらなく、ハウスの匂いもするダンスポップです。
もしかしたら当時の彼らの演奏・歌唱の拙さが楽曲制作の上で大きな障壁になっていたのかもしれないですね。

しかしこれらのウィークポイントも、2015年の感覚で聴くと1周回って新鮮かつクールに感じられました。今時こんな曲を出すアーティストなんぞいないですし、またこうしたスタイルがリバイバルすることもないでしょう。逆に唯一無二! そう気づいた途端名曲の宝庫にしか聞こえなくなったのです。
昔のアイドルソングの匂いとパンキッシュなサウンドが独特の融合をした『Zettai!』、コーラスが昭和の戦隊ヒーロー主題歌のような(Bメロが妙にメロディアス)『ハートを磨くっきゃない』、ほんのりリゾート感もある『SokoナシLOVE ~New Sokonashi Mix~』あたりが特にお気に入り。
西脇辰弥によるキッズなノリのポップチューン『未来派センス』はかなり突き抜けており、逆に未来派センスです。
また2ndシングル『明日の君を守りたい』は、やけに派手で古臭いイントロと冒頭のメロディーが以降の曲調と全く結びついていないのが衝撃。2ndがこれって…。

長瀬くんはいつでもカッコいいけど、この時期は特にカッコいいなあ。


EARTH『Bright Tomorrow』

Bright Tomorrow

Bright Tomorrow

 

DA PUMPやSPEED、w-inds.等で知られるライジングプロダクション所属の当時中学生3人組ダンスヴォーカルグループの唯一のアルバム。中学生ながら歌が大人顔負けのうまさで、良くも悪くもSPEEDのようなかわいげはありません。
楽曲の多くを葉山拓亮T2yaといったこの事務所お馴染みの面々が手掛けています。
葉山が手掛けたhiro『Treasure』やTourbillon『華』あたりに通じる、彼独特の和風のメロディーが聞けるミドルR&B『I'm Happy We Met』が好き。

メンバーのYUKAは東郷祐佳として葉山の縁で河村隆一プロデュースのもと、マイペースに活動中。


RAZZ MA TAZZ『Dialogue』

Dialogue

Dialogue

 

97年作。甘く鼻にかかったようなヴォーカルはいかにも90年代の売れ線といった印象ですが、ネオアコ・UKロックに影響を受けたようなギターの旋律が美しく、なかなか侮れないバンドです。
特にこの作品は転換点に位置づけられるようで、愁いを帯びた曲調のものが多いのが今の自分にちょうど良かったです。『LILIAC』が特に名曲。牧歌的な『あじさい』も好き。