スピード感(仮)

自分の好きな音楽、中古屋で収穫したCD等についてつらつら語ります

Tourbillon「10th Anniversary Live 2015」に行ってきました!

LUNA SEARYUICHI(神亭主)+INORANと音楽プロデューサー葉山拓亮ことH.Hayamaの3人によるユニットTourbillonの約8年ぶりのライブに行って来ました!

約2年という活動期間の短さやLUNA SEA復活の踏み台になってしまった印象もあることから、あまり振り返られないユニットでもあります。
音楽的にも劣化LUNA SEAと見られてしまいがちですがとんでもない。たしかにあの5人の緻密且つダイナミックなバンドマジックこそありませんが、固定メンバー3人という最小限編成ゆえむしろ音楽的自由度は高いのです。
早い話が派手なギターソロや曲によってはリズム隊すら存在しないぶん、シンセサウンド・DJ・ピアノソロ・サックスときにはゲストシンガーまでを加えることができるという。
全体的に終幕前ラスト作『LUNACY』をHayamaの力を借りて独自解釈したようにも思えますね。

そして個人的な話をしますと、このユニットは私の多感な年頃に直撃しリアルタイムで追いかけていたため、下手すればLUNA SEA以上の思い入れがあります。
ライブにも行けなかったので武道館デビューライブの動画をネットで観ながら、いつか訪れるかもしれない再演の日を待ちわびていたのです。

そして遂にやってきた約8年ぶりのライブ。
フロントに3人が並び、バックにサポート4人(土屋昌巳+TOKIE+Yukarie+ドラム氏 聞き取れず) という並び。前述の武道館ライブに近い編成に感激。

しかしまあRYUICHIの歌の絶好調なこと。ファルセットですら抜群の安定感。いくら歌っても余裕を感じます。ただただ唸らされるし安心して見ていられる。INORANは少年のような表情でよく動きギターを掻き鳴らし、Hayamaはキーボードの要塞に囲まれ優雅にシンセソロをきめる。会場が国際フォーラムというホールでしたので同期も含め各音がしっかり聞こえましたね。
サポートメンバーも皆熟練のプレーヤーばかりなので物凄い演奏なのですが、中でもINORANが弾かない細かなフレーズやちょっとしたギターソロを任されるなど土屋御大が影で大活躍。特にラフな作りの2ndアルバム収録曲が土屋製アップデートを施されて聞けたのに感激しました。

アップデートは他にも。
特に現在のINORANソロに通じるアップチューン『Saturation』では、サビのキーを下げINOコーラスを加えていたのですが、それが異常にカッコ良かった。
この曲に限らず結構な曲数でINORANがコーラスをとっていましたね。『your place』の冒頭に至ってはゆずのようなツインボーカルを聞かせてくれました。これは8年の間の充実したINORANソロ活動の賜物でしょう。
また葉山とINORANが向かい合い音で会話するように奏でられたインスト『Karma』では、ギターノイズが強めに入りシューゲイザーチックになっていました。この曲では二人を交互に照らし出す照明の演出も良かったなあ。
続く『杞憂』もドラマティックな間奏が音源より長めだった気がしたのですが気のせいかな。
あと『バラは散る為に』では音源で省かれてしまったサックスソロ込みの武道館アレンジで披露されました。

思い入れありまくりな名曲の乱れ打ちに、心の中で合唱し心の中で号泣していたのですが、この度発売されたベスト収録の新曲3曲も披露されました。
ただ正直それらの出来がイマイチで…。(好きな方ごめんなさい)
本編ど頭に披露されたRYU作のミドル曲『悪夢のスパイラル』は 、メロディーは悪くはないのですがアレンジが大味すぎるなという印象。あと曲タイトルがダサいなあ。
仮面ライダー関連タイアップのついたアップテンポの葉山曲『Colorless Images』は轟音ギターアレンジこそ気に入りましたが、曲そのものは悪い意味での歌謡ロック。
まさかのMay.JをフィーチャーしたINORAN曲『kagari-bi』は唯一好きでした。大陸を感じさせるスケールのミドル曲で、RYUICHIの絶唱に鳥肌。二人で声を重ねるサビの歌い終わり「見届けよう~」の部分だけをあえてMay.Jに歌わせるそのつくりは、賛否両論ありそうですが私はグッときました(音源は未聴なのでライブ仕様の可能性あり)。

MCはゆるゆる。特にRYUは何も考えてきてないことがまるわかりの、良い意味でテキトーな話しぶり。
近年チャラくなったと評判のINORANはRYUからの雑なフリを上手くこなし夫婦漫才に興じる。
葉山っちは弄られ役でした。「ツアーまでに新曲10曲書いといて!」とか言われてましたが果たして。

オーディエンスはメンバーと近い世代の女性が90%近くでしたね 笑。
皆探り探りという感じで、ミドルテンポの曲がほとんどなのもあり、ひたすら身体をゆったり揺らすようなノリ方。唯一『your place』で手を左右に振ったぐらいでしょうか。
それでも歌・演奏が素晴らしかったので大満足。たまには大人なライブも良いものです。