スピード感(仮)

自分の好きな音楽、中古屋で収穫したCD等についてつらつら語ります

MIYAVI『The Others』レビュー

 

 

またも海外の著名なプロデューサーを迎えてナッシュビルで制作された、ワールドリリース第二弾。キャリア的にはメジャー8thということになるようです。
EDMを大胆に取り入れた前作に対し、今回はアクセントとしてシンセをまぶしながらも再びギターとドラム2人編成のざらついたオルタナサウンドに回帰しています。

しかし前々作『WHAT'S MY NAME?』と大きく違うのは、ギターを持ち替え、お得意のスラップ奏法もほぼ封印したこと。
未収録となったジャム&ルイスプロデュースのシングル『Real?』が正直スラップギターの限界を感じさせる楽曲だっただけに、思い切ってきたなーと。
それでもギターがすさまじいのは変わらず。音も凄く良い。
前作もパッと聴いた瞬間に完全に洋楽だなと思ったのですが、今作はもう全曲そのままビルボードチャートに並んでいそうな感じ。
特に『COME ALIVE』『ALIEN GIRL』なんかはメロディーラインにR&B(チャラいアーランビーではなくリズムアンドブルースのニュアンス)っぽさが感じられ、作曲面でも新次元に到達したようです。
元THE MUSICのROB HARVEYをフィーチャーした『UNITE』もまた新境地。彼の楽曲中最も踊れるグルーヴ。前作においてCDの帯のジャンル欄に「ギター・ダンスミュージック」とあったのがなんだか釈然としなかったのですが、こういう曲こそギター・ダンスミュージックと呼ぶべきだと思わされました。
あとはMIYAVI流スタジアムロックといえそうなスケールの表題曲『THE OTHERS』が好きですね。シンプルなリフがやけに耳に残ります。

個々の曲は良いのですがトータルで見るとヘビロテには一歩及ばずというか。アンセム級の曲がもう1曲あれば違ったのではと思いました。電グルShangri-La』カヴァーもありますけど、なんか単に「カヴァーしました」って感じに聞えるんですよねえ…。
しかし彼の目は早くも次回作に向いているようですし、次に期待できる内容であるとは思います!