スピード感(仮)

自分の好きな音楽、中古屋で収穫したCD等についてつらつら語ります

下半期ベストトラック2018

 

diaryshinikana.hatenablog.com

続いては下期。
どうしても15曲に収まらず、2018年なので18曲としました。
下記には挙げられませんでしたが、三代目今市が直球のR&Bに挑んだソロ作や、衰え知らずの瑞々しいメロディーを紡ぐラルクTETSUYAソロあたりも良かったです。

 

18.SUSHIBOYS『遊戯王

350

350

 

https://www.amazon.co.jp/遊戯王/dp/B07JQ88843

国内外共にラップシーンというものはリリックの文脈がわからないと曲の神髄を理解できず置いてけぼりな気持ちになることも多いのですが(だからサマソニChance the Rapperも盛り上がりきれなかった)、これなら俺もわかるぞ。
遊戯王世代なのでテーマの時点で悶え死。不穏なトラック+物騒なフロウ回しでこの歌詞を歌うのが最高です。

 

17.Nile Rodgers & CHIC『DANCE WITH ME feat.Hailee Steinfeld』

It's About Time

It's About Time

 

Chic feat. Hailee Steinfeld - Dance With Me - YouTube

『Get Lucky』以降の再評価も後押しし、26年ぶりにCHIC名義を持ち出した新作より。
特に何か新しいことを演っているわけでもなく、今風のメロディーやリズムの強度を除いて、やってること自体は往年の楽曲と本当に何も変わらない。
しかし王者の風格すら感じるど真ん中のディスコサウンドには否応なしに身体が動いてしまいます。王道こそ至高なのです。

 

16.The Smashing Pumpkins『Silevery Sometimes(Ghosts)』

Shiny and Oh So Bright, Vol. 1

Shiny and Oh So Bright, Vol. 1

 

The Smashing Pumpkins - Silvery Sometimes (Ghosts) (Official Video) - YouTube

James Ihaをはじめとするオリジナルメンバーの復帰作より。
気怠くてどこかセンチメンタルなメロディー・フレーズが満載のミドルテンポのオルタナナンバー。
復活以降の作品が物足りなかっただけに、オリメンが復帰するだけで″あの頃″のような楽曲が生まれるとは思わなかったです。
アルバムでは、なんだかTeenage Fanclubのようにほっこり暖かい『Travels』も名曲でした。

 

15.マキシマム ザ ホルモン『拝啓VAP殿』

マキシマム ザ ホルモン 『拝啓VAP殿』 Music Video - YouTube

レコード会社移籍に際し、古巣への感謝の思いを込めて発表された1曲。
予襲復讐』における亮君の信条が重すぎ・痛すぎでとても聴けたもんじゃなくそのまま離れていましたが、久々のヒット。ポップで楽しいホルモンだ~。
思い返せばホルモンでは『握れっっ!!』『falling jimmy』『糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー』といったメロコアが好きだったのでした。

 

14.Tempalay『どうしよう』

なんて素晴らしき世界

なんて素晴らしき世界

 

Tempalay "Doooshiyoooo!!" [Official Music Video] - YouTube

まさに新感覚。
クリーントーンのギター+シンセが生み出す浮遊感と不可思議なグルーヴが、独特の言語感覚もあいまって新鮮に響く。
曲者のようでメロディーが人懐っこいのも◎です。

 

13.山下智久『You Make Me』

山下智久 『You Make Me』 - YouTube

久々の新譜より。旧友の赤西君の活動にでも触発されたのか、英詞中心・洋楽志向のスタイリッシュな内容になっています。
これは実質オープニングを飾る、密室的なアレンジのアーバンファンク。
山P自身はそこまで歌唱力のあるタイプではないと思いますが、彼の声の美味しい部分だけを抽出して重ねたコーラスワークに痺れました。

 

12.村井研次郎『The Sentinel

【早期購入特典あり】UNDERMINED (シートレンズ付)

【早期購入特典あり】UNDERMINED (シートレンズ付)

 

村井研次郎 - [ UNDERMINED ] Official Teaser - YouTube

どちらかというと疾走するディーパーズが好きなので、『RABBIT E.P』にはそこまでブチ上がらず(どの曲も彼らにしかありえない音世界でしたが)。
そんな面倒なディーパーズファンの心の隙間を埋めてくれたのがこちら。
彼らのライヴではそのあまりにゴリっゴリな音の塊に心を撃ち抜かれたのですが、その時の感覚がよみがえるような鉄壁の演奏による壮大なオープニング曲です。
緊張感に満ちた空間の中、途中で昔のプロレス入場シーンのような激ダサシンセが入ってくるのが笑えます。

 

11.Ariana Grande『thank u, next』

Ariana Grande - thank u, next - YouTube

元カレの実名を次々出しながら過去の恋愛に向き合い別れを告げ次に向かって歩き出すという、一見軽薄に思えるけど曲の背景を理解すると壮絶な重みを感じる1曲です。サンタコスがかわいいとかそんなこと気軽に言える内容ではなかった・・・。
トレンドに合わせた軽めのビートのメロウR&Bで、アリアナの天使のようなコーラスワークが堪能できます。

 

10.早見沙織『Bleu Noir

早見沙織/JUNCTION (CD+Blu-ray盤/2枚組)

早見沙織/JUNCTION (CD+Blu-ray盤/2枚組)

 

https://www.amazon.co.jp/Bleu-Noir/dp/B07KSK511V

本人作のアシッドジャズ(!)。
この声優さん自体をTwitterのフォロワーさんの呟きで知りましたが、声優歌手といえば水樹奈々のように声を張り上げて歌い上げるコテコテの曲しかないと思って勝手に苦手意識を抱いておりました。やはりどの界隈にも異端児はいるのですね。
サウンドだけでも聴きごたえありですが、そこに囁くようなアンニュイな歌声でもって圧倒的な個性を出せるのはさすが声を仕事にしている人だなと思わされます。
アウトロにおけるエモーショナルなピアノとそれに合わせて弾む彼女のスキャットも印象的。

 

9.ゲスの極み乙女。『はしゃぎすぎた街の中で僕は一人遠回りした』

騒動も落ち着いてしっかり音楽に向き合えるようになったのか、2018年の川谷絵音は凄かった。
この曲はソウル+4つ打ちロックにストリングス・ホーンを重ねており上モノは華やかなのだけど、その分空虚な都会のワンシーンを描いた歌詞が際立って聞こえました。
正直かなり染みた曲で、これ聞くたびに2018年を思い出しそう…。

 

8.Jonas Blue『Rise』

ブルー

ブルー

 

Jonas Blue, Liam Payne, Lennon Stella - Polaroid - YouTube

kygo以降に出現したトロピカルサウンドの使い手の一人ですが、何といってもメロディーが良い。それに尽きます。
特にBメロが好き。

 

7.清竜人『涙雨サヨ・ナラ』

目が醒めるまで【初回限定盤】

目が醒めるまで【初回限定盤】

 

https://www.amazon.co.jp/涙雨サヨ・ナラ/dp/B07K48HZC6

バラードの名手の面目躍如。
足を運んだものの今一つピンと来なかった新曲発表会で唯一大いに気に入ったのがこの曲。どうもストックとして前からあったもののようですが…。吉澤嘉代子とのデュエットシングル(これも名曲)のc/wで無事音源化されました。
英語フレーズを歌うハスキーなウィスパーコーラスが印象的で、どちらかというと80年代中盤の安全地帯バラードのような感覚。
編曲は瀬尾一三

 

6.the GazettE『裏切る舌』

the GazettE 裏切る舌 (Uragiru Shita) - YouTube

アルバム『TOXIC』以降は洋楽志向の洗練されたヘヴィネスを追及していた彼らですが、その下地のもとで″大日本異端芸者″期を彷彿とさせるコテコテの和メロを投入。
更にサビではツタツタブラストビートまでぶっこむのだから参りました。
ああやっぱりこういうヴィジュアル系大好きです、カッコつけた音楽聴いててすみませんでしたという気分になりましたね。

 

5.Joji『SLOW DANCING IN THE DARK』

Joji - SLOW DANCING IN THE DARK - YouTube

夏の刹那に満ちたHigher Brothersとの『Midsummer Madness』もよく聴きましたが、スローなビートにトリップできるソロ作を。アルバム随一の美メロチューン。
耽美なメロディーとリバーブに満ちた音に身を委ねれば、惨めな自分もなんだか酸いも甘いも噛み分けた孤独な男であるかのような気分になれるものです。

 

4.MIYAVI『Fragile (vs 雅-MIYAVI-)』

SAMURAI SESSIONS vol.3- Worlds Collide -(通常盤)

SAMURAI SESSIONS vol.3- Worlds Collide -(通常盤)

 

https://youtu.be/pjvXiurmXrc

ヤクザ映画のような迫力と凄みのある『Rain Dance(vs 三浦大知,KREVA)』も最高でしたしアルバム自体相変わらず派手なゲスト揃いなのですが、中でもダークホース的な存在感を誇るのが〆を飾るこの一曲。
MIYAVIも上記のJoji同様に88risingに名を連ねていますが、それこそ彼の曲と続けて聞いても違和感のないメロウなオルタナR&Bです。
ここんとこの彼のライヴではシンガーを配することで自身はほぼギターに専念しており、理解はできるものの寂しくもありました。そんな中まさかvs本人というテーマで自身の歌に向き合った楽曲が出てくるとは…。
セクシーなファルセットから力強く歌いあげるフレーズまで、MIYAVIの歌声の魅力を再確認できます。やっぱりもっと歌ってほしいな。
また、ギターフレーズが和風なのも◎。

 

3.Official 髭男dism『Stand by you』

Stand By You EP(初回限定盤)

Stand By You EP(初回限定盤)

 

Official髭男dism - Stand By You[Official Video] - YouTube

2018年一番聴いた″J-POP″。
アルバム『エスカパレード』も良かったのですが、そこから一回り洗練された印象を受けました。
ブラックミュージックを咀嚼したお得意のポップチューンですが、打ち込みのリズム(特にハイハット)が現行HIP-HOPシーンを意識したビートになっているのも耳を惹くポイント。
そして何よりメロディーが最高です。売れて絶頂期に達したバンド特有の無敵感に満ちているかのような煌きで。

 

2.THE 1975『TOOTIMETOOTIMETOOTIME』

ネット上の人間関係についての簡単な調査

ネット上の人間関係についての簡単な調査

 

The 1975 - TOOTIMETOOTIMETOOTIME - YouTube

バンド感を完全に排したトロピカルハウス。メロディー自体は低体温なのにこんなにもキラっキラした曲になっているのがもはやマジック。
出演者の素朴な笑顔が眩しいMVも素敵です。

 

1.ゆるふわギャング『Palm Tree』

Mars Ice House II

Mars Ice House II

 

Yurufuwa Gang "Palm Tree" - YouTube

あらゆる面で物騒な要素がてんこ盛りなのにも関わらず、どこか透明感があり刹那すら感じられるという、そんな彼らの佇まいを象徴する1曲。
本当にLAドラッグ仕込みの浮遊トラックとふわり浮かぶ言葉たちに飲み込まれてしまいそう。こんな音楽はじめて聴いたわ。

 

インディーR&Bとかも結構聴いていたつもりなのですが、意外にも印象に残っているのはロックだったなあという半年。
ふわふわ浮いてばかりじゃやっていけないですしね。
ではまた次の元号で!