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スピード感(仮)

自分の好きな音楽、中古屋で収穫したCD等についてつらつら語ります

PENICILLIN『BLUE HEAVEN』レビュー

ヴィジュアル系

 

BLUE HEAVEN

BLUE HEAVEN

 

 いやあ昨日の『有吉反省会』のPENICILLIN出演回、面白かったですね~。元々バラエティー番組にガンガン出てたバンドだけあってトークがキレっキレ。
七三分け姿のHAKUEIも眼福ものでしたし、今をときめく?IVANと再会できたのもよかった。

…なんて思っていたらPENICILLIN熱が再び高まってきましたので、急遽本作をレビューします。

PENICILLIN結成15周年の節目に発売された14th…でいいのかな。
まあ正直どのアルバムも微妙にカラーは違えどそこまで大きな差はないのですが、今作はHR影響下の8ビート楽曲をより前面に押し出している印象の作品です。古臭いと言われるのを覚悟の上での開き直りのような勢いを感じますね。ただしその分ギターに関しては全ディスコグラフィーの中でもトップクラスにヘヴィーな音になっています。
あとメジャー進出後のこのバンドはちょいちょいお遊び・ネタ曲を入れてくることが多いのですが本作にはそれがありません。大学時代のことを歌った『hyper kids~東海大学物語~』は歌詞自体はユーモラスですが楽曲そのものは軽快なパンク調で真面目。
全体の雰囲気としてはなんとなく名盤『Ultimate Velocity』の2006年ver.と捉えていただければ。男リスナーにもおすすめな1枚。

1曲目『花』こそオープナーにしては地味目なのですが、以降は激キャッチーな王道楽曲が揃っています。特にシングルカットされた『Grind Candy』は、ダークなABメロ・サビというベタな展開ではありますがこのサビのキャッチーさが異常。HAKUEIの声の癖を最大限に生かしたつくりで、PENICILLINならではの曲だと思います。派手なギターソロも最高。
続く『ネオグラマラス』もアコギ使いの名ポップナンバーですが、ギターソロではゴリゴリなメタル色の強いフレーズが飛び出します。
他に『hyper chord』なんかも歌メロの良さに加えてイントロ・ギターソロで派手に暴れるギターのカッコよさに痺れますね。
さっきからギターソロギターソロばっか書いてますけれど、改めてこのバンドにおける千聖の貢献度の高さを痛感させられたのでした。

ミドル・スローナンバーも絶品。三拍子リズムで和風ホラーチックな『月千古輝』は傑作。ノイジーなギターソロもうまくハマっています。『エデン』はインダストリアルチックな打ち込みを織り交ぜた重く艶めかしい楽曲。『蛍火』も曲自体は地味ながら間奏のアレンジにベテランの技を感じさせます。

2002年頃からシーンの時流に乗って彼らも各アルバムに1曲はHAKUEI千聖がヴォーカルを掛け合う英詞ヘヴィーロックを入れているのですが、今回の『Blood Red Snow White』は個人的にちょっとイマイチ。女性コーラスを入れ曲展開も新鮮だったりこの曲で〆るという姿勢も含めて意欲的な曲なんですけどね。HAKUEIの声にあってないように思います。

90年代に飛ぶ鳥を落とす勢いだったPENICILLINV系ブーム終了後はあっという間に苦境に立たされ、一時期は全国ツアーすらできない状況にまで追い込まれていたようです。
さらにこの時期は旧事務所とのトラブル・オリジナルメンバーGISHOの脱退もあったので相当苦しかった時期と言えるでしょうか。
そんな中でこれだけの力作を作るそのパワーには驚かされます。
そしてこれを乗り越えた07年以降の彼らはネオ世代が台頭する中、彼らにリスペクトされる形で再び勢いを増していくのでした。