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スピード感(仮)

自分の好きな音楽、中古屋で収穫したCD等についてつらつら語ります

三上博史『ARC』レビュー

 

ARC

ARC

 

 積極的に音楽活動を行う俳優三上博史の、本城裕二名義でのシングル『夢 with you』のヒットを受けて93年にリリースされたベスト盤。

私もその1曲しか知りませんでしたが、sukekiyoへのゲスト参加で興味を持ち購入したクチです。

アッパーな曲はビートが少しファンキーな『PRISONER』や久保田利伸作曲×レーベルメイトの森岡賢編曲による『HANG OUT!』くらいでしょうか。
あとは冷たく退廃的でミニマルな音世界のスローナンバーが中心。囁くような低音ヴォーカルがこれ以上ないくらいにハマっています。
sukekiyoの京もフェイバリットに挙げていたこの時点での最新作『ORAL』からの4曲が特に聴き応えがありました。ダブ・ニューウェイブ・ジャズ・ボッサ・人力トリップホップ?…といったキーワードが思い浮かび、どのように形容していいのかわからない前衛的なアレンジが施されています。個人的にはMORRIEのソロアルバムを聴いたときの感触に似ていましたね。ちなみに演奏陣のクレジットを見るとCIBO MATTOの本田ゆかやDanny Blume・Dougie Bowne・Marc RibotといったLounge Lizards*1の面々の名が。
他にも、ピアノ×管楽器(特にトロンボーンが目立つ)が織りなす優美なアンサンブルに奥に引っ込んだヴォーカルが溶け込む『BEAT ME WITH YOUR BREATH~第七官界~』(←タイトルも凄いな…)や、万華鏡のように次々表情を変えるアレンジに心奪われる『SOMEWHER IN TIME』が印象的。
三上はほとんどの曲の作詞を行っているだけでなくブックレットの1ページ目にも詩を添えており、確固たる世界観を持っている模様です。
そして件の『夢 with you』は久保田利伸提供のスローバラードということで今作中では一際メロディアスな曲なのですが、意外にもこれが浮いていない。Peter Scherer*2による透明感のあるアレンジに加え、三上のヴォーカリストとしての存在感がそうさせるのでしょう。

有名俳優の音楽活動としてはあまりに前衛的なスタイルに驚きました。この次の作品では土屋昌已がプロデュースを担当しているようです。

 

 

↓基本的に公式動画以外貼らないという自己ルールを設けているのですが、情報が少なく試聴用の動画を探すのも容易でないと思ったので今回は前述の『BEAT ME WITH YOUR BREATH~第七官界~』の動画を貼ってみます。


三上博史 - \第七官界 アルバム『ORGA'N』より - YouTube

*1:フェイクジャズと呼ばれた音楽性のバンド。かつてアートリンゼイもメンバーだったようです。

*2:アートリンゼイが率いたAmbitious Loversのキーボーディスト。